灼熱の炎７ ページ7
結局、ここまで来てしまったら、妙な隠し事をするのはお互い都合が悪い。
そう考えたのは心の内だけで、特段口にしたわけでも無いが、自然と話は双方の昔話へと及んだ。
聞けば、彼女の来歴は中々に凄まじいもので、一時は山で修行していたこともあるのだという。
その件に関しては半分成り行きらしいが、年間に渡って山籠りしたことに比べれば、故意かどうかの問題など些細な事柄だと思えた。
加えて、彼女の交友関係がまた錚々たるメンバーで。
「お世話になってた研究所がオーキド博士のところで……？親友の二人が、あのレッドとグリーン…………？豪華すぎじゃないか？」
「うーん……オーキド博士やグリーンはともかく、レッドなんて、私からしてみれば一種の引きこもりというか、ディスコミュニケーションの極みというか……私があちこち旅してる間に、そこまで認知してもらえるレベルになったのかと思うと、ちょっと感動するぐらいですよ」
話を聞く限り、気持ちは分からないでも無いが、目の前でしみじみと言われるとどう言葉をかけていいのか分からなくなる。
────とは言え、実の親にすら旅に出てから数年もの間一切連絡を寄越さなかった男を目の前にすれば、自分もきっと彼女と同じ感想を抱くのだろうが。
ちなみに、彼女が山籠りをするきっかけとなったのは、そんな彼の不精ぶりが原因であることは言うまでもない。
「とりあえず、Aがとんでもなく強い理由は理解した。修行相手がその二人なら、納得だな」
「それについては同感ですね。私が言うと嫌味になるかもしれませんが、正直、バトルのセンス自体は彼らほど高くないので。はっきり言って、才能の面ではポケモンの世話をする方が向いてます」
「信頼関係だって、立派な武器の一つだろ。作戦を立てただけじゃどうにもならないことだってある」
ポケモンはトレーナーの道具では無い。意志ある生き物だ。
どれほど理想を思い描こうと、お互いの連携が上手く取れなければ、相手に勝つことは出来ない。
その点において、彼女は誰よりも突出しているのである。
「ありがとうございます。────そう言ってもらえると、とっても嬉しいです」
そう言って、彼女は花のように笑った。
色彩鮮やかなその光景は、自らの心をも艶やかに塗りつぶしていく。
思わず俺は、少しだけ彼女から目線を外してしまった。
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藤川秋(プロフ) - ゆゆゆん@VIIさん» あけましておめでとうございます、いつも応援ありがとうございます！今年も更新頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2021年1月4日 16時) (
レス) id: 93e3af9b0c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆん@VII - しゅきぴぴぴ…キバナさんオゴありがとうございます… 主様のペース投稿頑張ってください！ 応援しています！！ ps:明けましておめでとうございます！今年も主様にお供させていただきます！ (2021年1月3日 1時) (レス) id: 9d1fd84ab8 (このIDを非表示/違反報告)
田中@VII - うぽつです！！ やっぱりおもしろいいぃ 続き気になるうぅ 応援してますぅ！ (2020年11月30日 23時) (レス) id: 9d1fd84ab8 (このIDを非表示/違反報告)
藤川秋(プロフ) - 田中@VIIさん» 田中@VIIさん、ご丁寧にコメント下さりありがとうございます！とても励みになります……！更新緩めで申し訳ないですが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2020年11月20日 21時) (レス) id: d1eae4f705 (このIDを非表示/違反報告)
田中@VII - 好きです。 更新頑張ってください！ (2020年11月20日 16時) (レス) id: 9d1fd84ab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤川秋 | 作成日時：2020年10月26日 17時
