炎の別れは知っている (ページ3)

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なにもないことはいいことページ3

今日は若武の家に集合の日。楽しみすぎて、約束の30分前には来てしまっていた。家にお邪魔すると、なんとほかのみんなは全員来ていたの。
「アーヤ久しぶり！元気にしてたか？」
「元気だよー。みんなに会えなかった間、寂しかったんだからね！」
そういうと、若武は真剣な顔つきになった。
「アーヤやっぱお前…俺のことが好きなのか！」
違う！みんなって言ったでしょ！
「み・ん・な。」
そういうと、若武はがっくりと項垂れた。
「姫。会えて嬉しいです。ほら、こっちにおいで。」
そんな優雅な誘いを断れる術は私にはなくて、恥ずかしがりながら私は黒木君の隣に座った。
「黒木ずるいぞ！」
「ほんと、気の抜けないやつ...。」
なんて若武と翼は言っているけど、若武はすぐに切り替えた。
「諸君！よく集まってくれた！全員元気そうで何よりだ。今日は近況報告を行う！」
「近況報告という名の、団らんだな！」
忍、そんなこと言わないの。
若武は明らかにむっとしたけど、気にせず話し出した。成長したなぁ。若武に続いて、みんなも話しだしていく。みんなとなんでもない日にこんなに長く他愛のない話で時間を過ごすのは初めてかもしれない。笑い話だけじゃなくて、知識を持っているみんなは聞いていて興味深いことも持ち出すから飽きない。夕方になって、名残惜しかったけれどお開きにすることになった。
「こうやって何もない日にみんなで集まるのもいいね。」
小塚くんが最後に言ってくれたおかげで、若武はなるべく定期的に召集するようにすると約束してくれた。上杉くんでさえ反論しなくて、心がほっこりする。