好きになっちゃいけない人。9〜Hiromitsu.K〜

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-みっくんside-



「何話してたの？その大谷先輩と」



こうなったら恥ずかしいもクソもねぇ。



モヤモヤしてること全部聞いてやる。



「みっくんの話だよ」



「俺の話？」



「そう。彼のことが大好きなんだね、顔に書いてあるよって言われちゃった」



…ああ、心配して損した。



少しでもAのことを疑った俺がバカだった。



俺は、こんなにも愛されていたんだな。



こんな風に俺が好きだって真正面から伝えてきてくれる。



分かってたはずなのに、俺は少しの不安でこんなにもAを振り回してしまう。



「みっくん、約束しよう？」



「なんの？」



「お互いを信頼し合う約束」



「信頼し合う…」



「そう。これからも不安になることや、不満に思うこと、お互いたくさん出てくると思うの。だけど、それを疑いの目に変えたら全てが怪しく見えて、相手のことを何も信じられなくなるじゃない？私はそんなの嫌だから、これからもずーっと一緒にいるために、信頼関係を築いていける、そんなカップルになろうよ」



…こいつは、いつからこんなに強くなったんだろう。



俺は、仕事柄不安や不満が絶えないだろうに、Aは何も言わない。



…それはきっと、俺に気を使って、我慢してくれてるんだろうって。

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