すべては全部、キミだった ２

養子縁組 ページ7

母「高嗣、座って」



父さんと母さんも
重苦しい表情に
不安を感じた




二「なに？」

父「健永くんのことなんだが」




別れろって？
病気の恋人なんて、気が重いって？




母さんが俺に、一枚の
神を差し出してきた




二「養子縁組？」

父「母さんと話し合ったんだが
　 健永くんを養子として迎えて
　 アメリカで手術を受けてほしいんだ」

二「どういうこと？」

母「知り合いの人に頼んで
　 調べてもらったんだけど。
　 心臓の重病を抱えた人の大半は
　 みんなアメリカで手術を受ける
　 らしいの。
　 あっちのほうが、医療が進歩してるから」

二「もう決定したことなの？」

父「昨日、健永くんが暮らしている
　 施設に行って話はしてきた。
　 今回のことは、健永くんの人生を
　 大きく左右することだ。
　 健永くん次第なんだ」

二「俺は.....いいと思うっ。
　 もし健永が少しでも生きられるなら
　 絶対にそっちのほうがいいと思うんだ。
　 でも、お金は？」

母「かなりの額が掛かるけど
　 養子になれば、自分の息子の
　 治療費だもの」





母さんと父さんは
なにも考えていないようで
いつも何かしら考えてくれている






この話、健永はなんていうかな



承諾、してほしいな




少しでも健永と一緒にいたいんだ



少しでも健永には
生きていてほしい




なんで健永ばっかりって
思ってたけど
逆にこの状況じゃないと
誰かを大切に思う気持ちや
仲間の大切さなんて、俺の平凡な
人生では、決してわからないことだったはず






健永には
感謝しかなかった

健永の答え→←小さな声

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す