嘘つきな唇。

＊嘘つきな唇 4＊ ページ4

＊＊＊＊＊＊＊

横「 太輔…お前…また… 」

藤「 仕方ねぇじゃん…俺の宏光を狙うから… 」

横「 …お前ねぇ… 」

藤「 … 」

横「 …ミツに…気持ち伝えれば？」

藤「 …んな事…出来るんなら…とっくにしてるさ… 」

横「 …ミツも…お前の事…好きなんじゃねぇの？」

藤「 …毎回…キライだって…言われてるよ(笑)」

横「 … 」

藤「 …キライだって言われても…キス出来なくても…それでも…もう…離せねぇよ。その為なら…嘘も…つける。ずっと…ずっと…手に入れたかったんだから…。」

横「 …お前…めんどくせぇな(笑)」

藤「 …うるせぇ(笑)」

横「 …けど…いつまでも…邪魔できねぇだろ。それに…最近…ミツ…男にも…狙われてるぞ… 」

藤「 …わかってる…。」

横「 …いつか…止めたいって言うんじゃねぇか？太輔…。言葉にしないと伝わらねぇぞ？」

藤「 …ああ。」


＊＊＊＊＊＊＊


藤「 …ん？」

あいつ…
確か隣のクラスの…

窓に体乗り出して
誰かと話でもして…


はぁ？！


藤「 お前…何してんの？」

「 えっ！？いやっ…まだ何も！！」

藤「 まだ？何も？」

「 じゃっじゃあな！」

藤「 … 」


『 …ミツ…男にも…狙われてるぞ… 』


藤「 …無防備すぎだろ… 」

北「 …ｽｰ… 」

藤「 … 」

学ランのホックと
シャツのボタン外されて…

首と…鎖骨が…

俺が…
もう少し遅かったら…
さっきの奴に…


あぶねぇ…


北「 …ﾝｯ…ｽｰ… 」

藤「 …宏光… 」


＊＊＊＊


北「 … 」
夢を見た…

夢の中で…

太輔は俺を好きだと…

好きだと言いながら…

優しく…

キスをしてくれた…

嬉しくて…嬉しくて…

涙が溢れた…。

その涙を…唇で掬いながら…

また…

好きだと…

ずっと…

ずっと…

好きだったと。

…俺も…

俺だって…ずっと…


『 …キスは…しねぇ… 』

『 …どうして？』

『 …キスは…好きな人と…したいじゃん… 』

『 …身体はいいのに？』

『 …キスは…特別だから… 』

『 …チェリー君に付き合うよ(笑)』

『 …うるせぇ… 』


キスは…

特別…

そう言ったのは…

太輔じゃん…


『 みっくん！』

『 なぁに？』

『 ちゅ 』

『 たいちゃん？いまのなぁに？』

『 とくべつだからちゅうするんだよ？』

『 とくべつ？』

『 ぼく、みっくんダイスキだから！』

『 ぼくも、たいちゃんダイスキ！』

『 とくべつはダイスキってことだよ！』

『 そっか！』


俺の

初めてのキスも…

太輔だ…

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