【w/rw/rd】妄想詰め【nm/mn】

おかえりとは言わないで【snrb】2 ページ19

薄手の毛布に包まったロボロは、いつも小さい体を更に小さく丸めながらすぅすぅと小さな寝息を立ている。しばらく会えなかった、ずっと会いたかった強くて可愛い愛しい恋人。思わず頬が緩んでしまうのも仕方のないことだろう。

「相変わらずかわいいなぁ」

こぼれ落ちてしまう程サラサラとした髪の毛を指で遊びながら、心ゆくまで夢の中に旅立ったロボロを愛でる。目尻に溜まった涙が質のいい枕に滲み溶けていくように消える。涙は寂しいと口にしない彼の本心、繊細でとっても美しいもの。俺だけの宝物。
俺が流させた涙なんだけど、そんな言葉は心にしまっておく。

俺は着の身着のまま流れていく流浪の民。ふらりと現れてふらりと消えてしまう性分。
決して、この場所が嫌いなわけではない。ただ少し、収まるという事が苦手なだけ。
『いつでも帰ってこい』そんなグルッペンの言葉に甘えて生きている俺を、ロボロがいつ見限るのかわならない。

「ただいま、なんて気軽にいえないよなぁ…」

ロボロはおかえりとは言わない。俺がすぐ何処かに行ってしまうことを知ってるから。

「それに…」

おかえりなんて言われたら、この子を置いていくなんて出来なくなくなってしまう。この子は此処に必要な人間、なにより俺が勝手に連れて行ったらグルッペンを敵に回してしまうことになるだろう。
人気者な恋人を持つとたいへんだなぁ。

かちかちと音を立てる時計に目をやる。時計の針は両針が天を指していて、ようやく幼さを残すほっぺから手を引く。もっと触れていたいのもやまやまではあるが、他のメンバーに見つかる前に出て行かねば。

「またね。」

ただいまとは言えないから、せめてもの言葉。

いつになるかわからないその日を迎える為の願いの言葉が、静かな部屋にポツリと落ちた。





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雰囲気小説楽しいですよ。
みんな描きましょうね。



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