好きから恋に【小森隼】

Hayato ページ6

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襖が開いた瞬間、時が止まったような錯覚に陥った。

目の前に立っている女の子から目が離せなくて、急に胸を誰かにギュッと掴まれたような感覚が襲った。

今まで一目惚れなんて考えたこともなかったけど、ああこういうことなんだって思った。

亜嵐くんに催促されて目の前に座った君。

亜嵐くんの幼馴染、か。

何かをコソコソと話してる2人の雰囲気は長年連れ添ってきたおしどり夫婦を思わせて、俺に勝ち目なんてないな、なんて思ったりした。



「なあなあ、Aちゃんは誰ファンなん？」



裕太くんがふと質問した。

俺もちょっと気になるかも。
ここで亜嵐くんとか言われたら玉砕された気分になっちゃうんだけどね。



「みなさんだいすきなんですけど……」



急にモジモジし出すAちゃん。

そのしぐさを見ただけなのに、かわいいな、なんて無意識に思ってしまうなんて相当だなって自分でも思う。



「やっぱり1番は隼くん、です。」



そっかー。やっぱ亜嵐くん、



「……え？僕、？」



まさか自分のファンだなんて予想してなかったから反応が遅れた。



「そうなんだよねー。Aってば、幼馴染なのに俺のファンじゃないんだよ？ひどいわ〜。武者のときからずっと隼くん隼くんってうるさいんだよ笑」


「ちょっと亜嵐！余計なことまで言わなくていいから！」



ベラベラと亜嵐くんに話されて、顔を真っ赤にするAちゃん。



「よかったな、隼。」


「隼ええな〜Aちゃんにファンなってもらえて〜」



隣に座ってる玲於には肘で小突かれるし、龍友くんには羨ましい羨ましいって連呼された。

まあ、予想外だったけど俺も諦めなくて良さそうだから満更でもなかったりする。



「そっか、Aちゃんありがとう。これからも応援してね？」


「も、もちろんです！！！永遠に全力で隼くんファンで居ます！！！」



あまりファンっていわれることがないからどうしたらいいのかわからなくて、とりあえずお礼を言えば嬉しいことを言ってくれるAちゃん。

なんだか胸がじわーっとあったかくなって、好きになっちゃったんだな、なんて実感した。



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