好きから恋に【小森隼】

Takanori ページ30

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隼に好きな人ができたって言うもんだから、相手を聞けば昨日新しく入った子って言った。


昨日？


そもそもこんな時期に新入社員なんて、普通はありえない。


そう思って、いろいろ考えていると少し前の亜嵐との会話を思い出した。



〜


「岩さん！俺、Aをうちの事務所に引き抜きたいんですよね〜」


「A？………なんで？」


「あいつ、めっちゃ飲み込み早くてただの事務なんですけど本当は何でもできるんです。この前、上の人があっちこっちで対応できる有能な人材を探してるって話聞いたんで。」


「それだけじゃないだろ？そんなの他にもできる人はいるじゃん。」


「俺が近くで守りたいからです。諦められないし、目の届くところにいて欲しいんですよね。」


「そっか。まあ俺はいいと思うよ？採用されるかわかんないけど笑」


「あいつなら採用に決まってるでしょ！笑
あ、岩さんにAのこと譲るつもりないですけどね？」


「ふは、亜嵐こわすぎ笑」


「笑わないでくださいよ、わりと本気ですもん！」


「はいはい、わかったよ」


「もう！すぐそうやって流すんですから〜」


〜



なんてことがあった。


でもどことなく確信がないから、確認しようと思って聞いてみたら驚くみんな。


そりゃそうか、俺たちの関係を知ってるのは亜嵐だけだもんな。


場の空気を少し壊した自覚はあったから亜嵐の言葉を素直に聞いたけど、去り際の隼の顔を見てAのこと本気なんだってわかった。







だけど、


俺だって当時も今もAへの気持ちに変わりはないんだ。



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