好きから恋に【小森隼】

You ページ28

.



いよいよ初出勤の日。


すごい緊張するけど、昨日の夜に隼くんから電話が来て今度こそ会う約束ができたことにプラス、隼くんからの頑張ってっていうエールのおかげで何でも乗り越えられる気がする。


私はいつも以上に気合いを入れてから事務所に足を踏み入れた。



「……で、とりあえずは前の会社でしてたのと同じ事務作業がメインなんだけど、人手が足りないときは現場スタッフに回ってもらうから！よろしくね〜」



と、挨拶を含めていろいろ説明を交えながら案内をしてもらった後、ニコッと微笑むのはこれから私の先輩になる佐伯さん。


ん？現場スタッフ？



「現場スタッフも、ですか？」


「大丈夫、ちゃんとその分のお給料もつけてもらえるから笑」


「いや、そうじゃなくて、事務所のアーティストさん達のお仕事に携わるってことですか、？」


「そういうことになるね笑
最初は慣れないかもしれないけど、そんな難しいことは要求されないから心配いらないよ！」


「は、はい…」



仕事内容については何の疑問もなかった。
たぶん、テキパキ動く派だから心配はしてない。


それより、もしかしたら隼くんに仕事でも会える可能性がさらに増えるってことが問題だ。


ファンとして遠くから見てただけでもドキドキしてたのに、そんな近くで、それも好意まで寄せちゃってる私は生きてられるの？笑


とにかくクビにならないように、精一杯仕事を全うしよう。



〜



初日だったけど、迷惑をかけることもなく仕事を終わらせることができて安心して、思い切り伸びをした。


その瞬間、佐伯さんに腕をグッと掴まれてバランスを崩しかけた。



「Aちゃん、歓迎会するから行くよー」


「えっ！？」



返事することもできないまま、居酒屋に引き連れていかれた。


でも、気さくで優しい人だらけな部署みたいですごく安心した。
これからも頑張っていけそう！
隼くんとのご飯の約束もあるし！





だから、あの人に会うことになるなんて
隼くんのことで舞い上がってた私は微塵も考えなかった。



.

Hayato→←作者

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す