gear36 ページ37
【ライ視点】
「俺が1人…？」
「あぁそうさ、さっきも歯車の話をしただろ」
らっだぁは優しすぎるんだ、それ故に噛み合うことができなかった。
仲間達の思いに気づいていなかった。
「仲間達の事……考えていたのか？」
「考えてるに決まってんだろ！」
「いいや、考えてないね」
自分でも驚くほど声が低い。
表情もきっと冷酷な目をしているのだろう。
らっだぁは絶望感に陥った顔をしていた。
「考えているのであれば、仲間達も自分と同じとみれるはず。ほら、君だって守りたいんだろ？仲間を。それは仲間達も同じで、君を守りたいんだよ」
「……」
「でも君は、それに気づいていなかったでしょう？」
「……そうだったのか」
らっだぁは俯いている。
床にポタポタと涙を落とす。
優しすぎるのは良くない、その優しさに漬け込む者だって現れるから。
……僕のように、兄さんを助けてくれとすがる。
優しすぎるのは良くない、仲間達の本心に辿り着けないから。
「それでもあんた、行くの？」
「俺は……」
「君に兄さんを助けてほしいって言った時、あっさり承諾したけど…強い意志無しで、優しさだけで行こうなんて思ってないよね？」
「俺は…！」
ニーナ様はいつになく真剣な表情をしている。
ニーナ様をガッカリさせないでくれと本心で思う。
「俺は！それでも行く！」
「…どうして？」
「優しさもあるかもしれない、けど！エンペラー…ライの兄さんは救わなければならないんだ！」
「そう思うんだ」
ニーナ様の表情は晴れ晴れとしていた。
「あたしもそう思うんだ、らっだぁ。…本当に行くのね？」
「もちろん！」
「分かった、じゃすぐ飛ばせるから目瞑って」
言われた通りにらっだぁは目を瞑る。
「らっだぁ、制限時間は3日間のみ。ケイに見えてないと意味ないから現世の人間には可視にしとくわね。それじゃ、いってらっしゃい」
言い終わると、らっだぁは一瞬で消えた。
「本当によろしかったのですか？」
「ええ、なんの能力もないあたし達の架け橋とでも思うべきよ」
「左様ですか……ではしっかり仕事して帰りをお待ちしましょう」
「ええー！！もう疲れたー！！」
「まだ地獄行きか天国行きか決まってない人は24億人居るんですよ！！放棄しないでください！」
「はあ？！無理でしょ！！あんたも手伝ってよ！！」
「僕は川に落ちた死人達を救いに行くので」
「もー！！ケチケチケチー！！」
ニーナ様の声が甲高く響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RE:0096 - 絵、上手くね.....? (2020年6月4日 14時) (
レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
みれな(プロフ) - らべらばーさん» コメントありがとうございます！参考にさせていただきます！健康に気をつけて、これからも見て頂けると幸いです！ (2020年2月28日 22時) (レス) id: 095cac289b (このIDを非表示/違反報告)
らべらばー - 他にも、み.ど.ろ.ん.ぱの能力から取るとか……たとえば怪物とか、殺人とか覚醒とか。更新頑張ってください！！ (2020年2月28日 14時) (レス) id: 8be9f99a12 (このIDを非表示/違反報告)
らべらばー - 更新いつもお疲れ様です！ そしてエンペラーさんの能力についてなんですが、私には思い浮かばなかったので、ほわっとしたなんとなくの文だけ伝えておきます。一見チートに見えるけど、実は隠れた大きな弱点があるもの、等が個人的に好きかなぁ、と思います！ (2020年2月28日 14時) (レス) id: 8be9f99a12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mirena | 作成日時：2020年1月18日 21時
