BORDER LiNE (ページ20)

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06/11 19:20 ページ20

あの時続いた幸運が嘘だったんじゃないか、と思う程には私の日常は通常運転に戻っていた。
ただ…その日常の中に、今は山本くんがいる。
山本くんんと"ちゃんとお友達"になってから、私たちは本当に、とても良いお友達だった。

あのご飯以降、山本くんとは会っていない。むしろ、これが普通なのだ。
あの時期は偶然が重なりすぎていて、あんなに都合よく何度も居合わせたりなど普通はしない。
それに社会人になってからの友達付き合いなど、そんなに頻繁に顔を合わせるものでもない。
彼は結構マメにいろいろ連絡をしてくれるし、私もそれに返す形で連絡をしていたから
なんだかんだやりとりはしているし、幸いなことにYouTubeを開くとある程度最近の彼の様子を知ることができた。

あの日知ったことだったが、彼は早稲田の学生で、YouTubeで一緒に写っているメンバーも
またそれぞれにそれなりの大学に行っている面々ばかりだという。
QuizKnockという団体は元々WEBメディアを運営する集団で、その活動の延長線上に
YouTubeがあるのだという事も教えてもらった。

…学生もして、WEBメディアのライターもして、YouTuberもして。
私の想像以上に、山本くんは多忙だ。
(あの日も忙しいんだねと言った話をしたけれど、彼はテレビに出ている伊沢さんの方が何倍も忙しいから大したことないと笑っていた。)
こう考えると自分の学生時代はきっと楽だった。
なんなら今だって、山本くんよりは忙しくないかもしれない。