妖混じりと錬金術師 (ページ3)

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何処ページ3

不意に目が覚めた。

随分長いこと眠っていたんだろうな。
頭がスッキリして気分がいい。

「よぉ。お目覚めかい？」

『………誰だ？』

「オレは【お前】だ。虎杖A？」

『何で名前を知ってる？』

「言ったろ？
オレは【お前】だからさ。」

『ここは何処だ？』

「何処だと思う？」

『…少なくとも【前】の世界じゃないな。』

「オレたちはお前たちが“世界”と呼ぶ存在あるいは“宇宙” あるいは“神” あるいは“真理” あるいは“全” あるいは“一”

そしてオレは“おまえ”だ

ようこそ身の程知らずのバカ野郎」

真理？俺がお前？
意味がわからん。

「いまいち分かってなそうな顔だな。
特別サービスだ。
この門の向こう側を見て来い。」

目の前にある門が開き、
そこから黒い触手のようなものが
体にまとわりつく。

そのまま引き摺られていくと
写真のような、記憶の一部分が
頭の中に入り込んでくる。

一度に大量の情報が入ってくるせいか
頭が割れるように痛い。

『何だ…これは？記憶…？』

ズキズキと痛みを訴えてくる頭を抱えながら
それでも見なければともう1度目をやると

奥から強い光が目に飛び込む。

-バタンッ-

門が閉じた。

「これでこの世界のことが分かったか？」

『…なんとなく？』

「それなら十分だ。
じゃあ、これを見た【対価】を貰うぞ。」

『そっちが勝手に見せてきたくせに…。』

「錬金術の世界では【等価交換】が絶対だ。
お前にこの世界のことを教えてやった。
誰もただで見せるとは言ってないしなぁ？」

『自分勝手な奴だ。』

「さて、お前は前の世界で死んだ。
錬金術なんてない世界でな。
なのにここへ辿り着いた。
イレギュラー中のイレギュラーだ。」

『…つまり？』

「お前は本来
ここに居るはずじゃない存在なんだ。
原因が分からないにしろ
意味が無いわけじゃなさそうってことだ。
だからお前に真理を見せた。」

『この世界で生きていけと？』

「まぁ、そういうことだな。
対価はお前が目が覚めた時に貰うぞ。」

『…好きにしろ。』

「せいぜい生き延びろよ？
人間もどき(ﾆﾔﾘ」