【WT】マンホールに落ちたら指名手配されたんですが誰か無実を証明してくれ (ページ10)

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9話ページ10

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　オレンジに輝く太陽と青い月を従えた大きな惑星がある。

　表面の大半を海で覆われたその星には、合計四つの大陸が存在していた。

　球形の惑星の真ん中より少し上、自然生成にしてはかなり珍しいトランプのダイヤの形をしているその大陸は、四つの中でも2番目に大きいもので、ホーラー大陸と呼ばれていた。ホーラー大陸は、大体同じくらいの割合で四等分され、現在その大陸には4つの国が存在している。

　その中の一つ、大陸の中でも一番北に位置する国は、ヒエムス王国と呼ばれている。領土の3分の2、そして一年の2分の1を雪と氷が覆っているその国の主要な産業は専ら酪農、そして機械細工だった。特に、寒さに関係なく行うことができる後者についてはなくてはならない基幹産業となっている。

　そんなヒエムスの南の端に、王都ウィンテルは位置している。歴代国王は国の中でも比較的良好な環境のその場所に城を建て、ヒエムス王国を治めていた。国の中でも特に機械技術が発展している場所のため、『工具の生まれた場所』とも呼ばれる都市。

　ぶるーくときりやんと名乗った二人から聞いた話を総合すると、現在私がいるのはそんな場所であるらしかった。

　淹れてもらった暖かい、そして何やら少し変わった香りのするお茶を飲みながら二人の説明を聞いた私は、聞き終えるとがっくりと突っ伏した。

　参考までにと途中で挟んだ質問＿＿スマホという概念はあるか、マンホールは存在してるのか、アメリカはあるのか、ドラマや映画の話かドッキリか等＿＿に、二人は非道く困惑した様子で私を見た。多分、後半ちょっと怯えられていた。

　「_______なるほどここは異世界ね。オッケーオッケーアイアンダースタン大丈夫大丈夫最近よくネットの広告とかで見るやつねわかったわかった」

　突っ伏しながら確定してしまった現状をほとんどヤケクソで高速詠唱すると、二人が「……異世界？」と首をかしげる。そして、おそるおそるといった具合に私に尋ねてきた。