10話 ページ11
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「えっと……じゃあつまり、君はこの世界じゃない世界から来たの？ その＿＿チキュウのユーラシア大陸の東端の島国の＿＿なんてったっけ、ニホン？ から」
「えぇ……えぇ、そうです、その通りです……」
「俺は知らない。ロギ、じゃなくて、きりやんは？」
「聞いたことない」
ゆるゆると首を振る彼らに、ますます気分は落ち込むばかりだ。
あぁ神様、一体私が何をしたというんでしょう＿＿と、己のあまりに現実味のない現実を嘆いていると、ふときりやんさんが琥珀色の目でじーっと私を見つめていた。
「……？ 何ですか？」
「え。……あ、ううん、ええと……お茶、美味しい？」
「え？ あ、はい、ちょっと変わった味はしますけど」
「そっか」
……何だろう。琥珀色の視線から探られているような、観察されているように感じて、思わず目を逸らしてしまう。もしかしなくても疑われているんだろうか。でも、事実なんだから仕方ない。
それでも目線を逸らしたついでに、そういえば、と他の話題を探して、話題は見つかった。
「あの……先ほど、私が死刑囚だとおっしゃりましたよね。アレは、どういう意味だったのでしょうか」
そう聞けば、二人は少し困った顔になった。
「あー、あれは、なんていうか……あの牢屋、つまり、アレ＿＿きんときがいた牢屋って、死刑囚専用の牢屋なんだよね」
さらりと発せられた言葉に、えぇ……と困惑するしかない。
「私、ただただ気づいたらこの世界にいただけなんですけど……」
「だよなぁ。……俺たちに嘘ついたりしてる？」
「嘘ついても何にもなりませんよ……」
「だよなぁ。なんかの間違いとか？」
ぶるーくさんと一緒に首を捻っていると、「まぁ、とにかく」ときりやんさんが口を開いた。
「今日はもう夜も遅いし、一旦休もう。Aさんがどういうわけでどうしたのか、俺たちにはわからないけど……とにかく、明日色々調べてみよう」
「え、あ、良いんですか？ こんな怪しい人間を＿＿」
「これもなんかの縁でしょ。ぶるーくが無理矢理連れてきたようなものだし、できる限りは協力するよ」
そう言ってきりやんさんはにこりと笑う。いい人だ！ と感激して、感激した途端になんだかどっと疲れが襲ってきた。
考えること、考えたいこと、色々あったけれど、抗うことのできない眠気に大体全部が吹き飛んで＿＿そして、私の意識は深い闇の中へと落ちていった。
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作者名：ホロスコープ | 作成日時：2022年5月4日 16時
