待つ呪い/fsmgk ページ1
コツン
コツン
足音が廊下に響いている。
ギシリという音でその足音は止まった。
そしてその足音の主はそこにあった扉を開け中に入った。
「A。」
柔らかで優しげで暖かな泣きそうな声。
そこにいた少女はビクリと体を震わせゆっくりと声の主を見た。
「ガ、、、、ク、、?」
少女の口から震えた声が漏れた。
その瞳は見開かれ、涙がこぼれ落ちた。
「ごめん、ごめんな、遅くなって。約束通り迎えに来たっすよ。」
ガクと呼ばれた青年は薄く笑って少女に手を伸ばし抱きしめた。
「必ず迎えに来るって言ったのに、遅くなってごめんな。こんなになるまで待たせて。
還ろうぜ。一緒に、還ろう。迎えに来たからもういいんだぜ。こんな場所に留まらないで、あっちへ行こうぜ。な?」
掻き抱くように抱き返してくる少女に言葉が落ちていく。
「ほんとにごめんな。。ずっとずっと待ってくれてたのに、来れなくて。
キミの元に帰れなくて。ずっと待っててくれてたのに
キミを
裏切った。」
少女が一言だけ呟いた。
「信じてたから」
その言葉に彼は、思わずというように瞳を歪めた。
「もう、、、もういいぜ、ありがとな。
遅くなったけど迎えに来たっすから。な、還ろう。」
その言葉が終わる頃にはもう部屋には青年しかいなかった。
その手には白骨と鎖が握られていて、
狐の彼は深い深い慟哭の声を上げた。
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零人(プロフ) - あとがきは明日更新予定です (2023年3月8日 23時) (レス) id: 94faa0a05d (このIDを非表示/違反報告)
零人(プロフ) - 三色さん» 分かりました!明日にはひとつ話を出す予定です!お待たせしてしまい申し訳ありません,,,。 (2023年3月7日 21時) (レス) id: e99e1d6c67 (このIDを非表示/違反報告)
三色 - fwを先にしてもらえますか?もう書いていたならばすみません。急かすつもりはないのですが、更新再開予定はいつ頃ですか? (2023年3月7日 21時) (レス) id: ed092ee9b8 (このIDを非表示/違反報告)
零人(プロフ) - 三色さん» 了解です!!お任せください! (2023年2月20日 18時) (レス) id: 94faa0a05d (このIDを非表示/違反報告)
三色 - 零人さん» 追加なのですがfwもいいですか?いつまでも待っています。 (2023年2月18日 11時) (レス) id: ed092ee9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmrit1/
作成日時:2023年1月12日 20時