20あまり9つめ。 ページ29
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Aはふらふらと公園を歩いていた。頭の中は体育祭でいっぱいで、どう戦おうかな、と珍しく少し真剣だった。
『…おかあさんも、見てくれるかなあ』
Aの言葉に呼応するように、腕の中のライオンのぬいぐるみがこくこくと何度も力強く頷いた。
『あ、』
Aが小さく声を上げた。視線の先にはなんだか見た事のある、というか既視感があるような、そんな1人の高校生と、泣いている子ども。
『…なかせちゃったのかな』
高校生は焦っているらしく、木の上を忙しなく見上げ、また子どもに視線を戻す。不思議に思ったAは、その高校生につられるように木の上を見上げる。
そこには、真っ赤なふうせんがぷかぷかと浮いていた。持ち手であろう紐が、辛うじて木に少し巻きついていて、今すぐにでもふわふわと宙に浮かんでいってしまいそう。
嗚呼、だから泣いているのか、とAは納得して、近くのベンチにライオンのぬいぐるみを座らせる。
「泣くんじゃねえ、男だろ！！俺の個性だったら落ちても無傷だし、取ってやっから！！な！？」
「うわあああん！！」
木から1m弱。Aはいつも通りににこりと笑って、ゆっくり両手を差し出した。
そうしたら、まるで吸い寄せられるかのように彼女の両腕めがけてふうせんが寄ってきた。ぽかんと口を開いた高校生と、はしゃぐ子ども。渡してやれば、お礼をしながら風のごとくに去っていった。
『あ、そうだ、硬化の子と、…もしかして、B組の人…？』
ベンチからライオンのぬいぐるみを抱き上げて、Aは笑いながら聞いた。銀髪の高校生はいまだにおどろいていた。
「おまえも雄英生か！？」
『…そうかもね。うん。』
ヒラヒラと小さく手を振って、Aは道を引き返した。その後ろ姿を、B組の雄英生は何も言わずに不思議そうに眺めていた。
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──
マイク「群がれマスメディア！今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ！！？？」
Aが八百万に髪を結わえて貰っている中、体育祭会場にはプレゼント・マイクの声が響いた。
「ラストチャンスに懸ける熱と経験値から成る戦略等で、例年メインは3年ステージだけど、今年に限っちゃ1年ステージ大注目だな。」
雄英敵襲撃が大きく報道された今、雄英体育祭、1年ステージは大注目されていた。特に、乗り越えた１年A組は──｡
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ちゅる(プロフ) - すごく面白くて初めて感想描いてみました、、いままで読んできた小説の中で一番設定が好きです！ (11月11日 0時) (
レス) id: aed173f286 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 応援してます！ (2023年2月21日 2時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
⚪︎△ - 家での様子見てみたいです！おうえんしてます！！ (2022年12月7日 20時) (レス) id: 5a19af4b70 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - この作品一番好きです！ 応援してます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 9bac72a933 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 可愛い 好きすぎます 頑張ってください!! (2022年9月20日 17時) (レス) @page29 id: badda1f22b (このIDを非表示/違反報告)
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