10あまり1つめ。 ページ11
．
『どこまでいっちゃったかな』
ふわりと笑ってAは相澤を振り返った。相澤ははぁ、とため息をついて画面を出す。
そこには
「日本出てんじゃねえか！？！」
「まじかよ！？」
「０の数頭おかしいって」
ぐるぐると考えだす緑谷を他所に、Aは小さく言った。
『ほら、もどっておいで』
右手を差し出して、優しく言ったA。そして風がふわっと彼女の黄金色の髪を揺らす。次に目を開いたときに、Aの手のひらにはボールが乗っていた。
『おかえり』
グラウンドにクラスメイト達の歓声が響いた。2回目も同様に投げて、彼女は終始笑顔で、それでいて特に喋ることもなくボール投げを終えた。
蛙吹「すごいわAちゃん」
耳郎「Aほんと何でもできるね」
葉隠「しかも返ってきたしね！あ、私葉隠透！よろしくねー！！Aちゃん！！」
にこにこしながら女子に囲まれるAの個性を、緑谷はぐるぐると頭の中で考える。
緑谷「さっきまで加楽多さんはぬいぐるみを持ってなかったか？いやそれ以上にあの握力計…操作系の個性？いやでも、ボールは…？日本を飛び越えるくらい操作範囲が広い…？しかも返ってきた。どういう個性なんだ…！？」
麗日「怖いよ…？」
そうして次に注目を集めたのは緑谷のソフトボール投げ。今までこれと言った記録を出していないため、クラスメイトも、もちろん緑谷も危機感を覚え始めた。
飯田「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…？」
爆豪「ったりめーだ、無個性のザコだぞ！」
飯田「無個性！？彼が入試時に何を成したか知らんのか！？」
爆豪「は？」
Aは2人の会話に聞き耳を立てつつ、また口角を上げる。緑谷は焦った顔をしつつ、何かを決心したようにボールを構えた。空気が変わったのを感じつつ、Aはいつものぬいぐるみを抱える癖でつい服の裾をぎゅ、と握る。
が、クラスメイトが感じた緊張感とは裏腹に、緑谷の投げたボールは思いのほか短く、簡単に地面に落ちていった。
緑谷「な…今確かに使おうって…」
相澤「個性を、消した。」
Aは少しだけ目を見開いて、そしてまたにこりと笑う。
相澤「つくづくあの入試は合理性に欠くよ。おまえのような奴も入学出来てしまう」
緑谷「消した…！！あのゴーグル…そうか……！抹消ヒーロー、イレイザーヘッド！！！」
クラスメイトがざわめく中、緑谷は持ち前の知識でそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 973人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゅる(プロフ) - すごく面白くて初めて感想描いてみました、、いままで読んできた小説の中で一番設定が好きです！ (11月11日 0時) (
レス) id: aed173f286 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 応援してます！ (2023年2月21日 2時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
⚪︎△ - 家での様子見てみたいです！おうえんしてます！！ (2022年12月7日 20時) (レス) id: 5a19af4b70 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - この作品一番好きです！ 応援してます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 9bac72a933 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 可愛い 好きすぎます 頑張ってください!! (2022年9月20日 17時) (レス) @page29 id: badda1f22b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
