10つめ。 ページ10
・
相澤「放課後マックで談笑したからったならお生憎。これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。
クラスメイトがどうしようかと悩み出す中、相澤はAに体の向きを変えた。
相澤「加楽多、
『別にだいじょうぶです！』
にこにことAはぱっとぬいぐるみから手を離した。離されたキツネのぬいぐるみは当然重力で真下に落ちて行く。とさり、と音がしたが、そのぬいぐるみはまるで芯が通っているかのように、まっすぐに立っていた。
『先にもどってていいよ』
こくん、とまるで人間のように頷いたキツネのぬいぐるみは、あろうことか歩き出した。そんなキツネのぬいぐるみを、心底楽しそうに眺める少女に、相澤はどこか不安定さを感じずにはいられなかった。
『これでだいじょうぶ！』
相変わらずにこにこしながらくるりと振り返ったA。おかしな個性だ、と思いつつも、相澤は個性把握テストに戻るのだった。
結局、Aは50m走はやりようが無かった為、普通に走った。特に早くもなく、遅くもなかった。
3.4秒という記録を叩き出した飯田や、中学より早くなったと喜ぶ麗日、1秒以上は射出できず途中で落ちていく青山を見て、Aはまた、楽しげに髪を揺らした。
次に握力。握力測定器に対し、ぱっと顔を明るくさせたA。『楽しそう』直感的にそう感じたらしかった。
クラスメイトが見守る中、握力測定器に異常な数値を出せるように操り、ぎゅっと力を込めると"490"の数字が。
「アリかよ！！？！」
「握力じゃねぇ！！！」
第3に立ち幅跳び。これはいくらAが遊べそう、楽しそう、と思えても、砂1粒1粒を操ったり、空気を操るといった高度な技がいるので、50m走と同様普通に飛んだ。反復横跳びも然り。
そして第5種目、ソフトボール投げ。五十音順に投げていって、麗日がボールにかかる重力を無くして無限という記録を叩き出す。
Aの番が回ってくる。
『わあ、ボールひさしぶりにさわったなぁ』
未だ謎の多いAをクラスメイトが食い入るように眺める。
『楽しそう。』
にこり、笑ったAは行ってらっしゃい、と小さく呟いて軽く放るように投げる。あれじゃあ飛ばないな、と誰かが思った。が、
放り投げたボールはまるで自我でも持っているかのように遥か遠くへ飛んで行ったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 972人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゅる(プロフ) - すごく面白くて初めて感想描いてみました、、いままで読んできた小説の中で一番設定が好きです！ (11月11日 0時) (
レス) id: aed173f286 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 応援してます！ (2023年2月21日 2時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
⚪︎△ - 家での様子見てみたいです！おうえんしてます！！ (2022年12月7日 20時) (レス) id: 5a19af4b70 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - この作品一番好きです！ 応援してます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 9bac72a933 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 可愛い 好きすぎます 頑張ってください!! (2022年9月20日 17時) (レス) @page29 id: badda1f22b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
