25話 ページ26
そうしてしばらくポツリポツリと話していくうちに____
赤犬はAに落ちた。
いや、本人はおそらく無自覚だ。
しかし、確実に目の前の天真爛漫かつ大人びたところのあるAを愛らしく思うようになっていた。
当の本人Aはつゆしらず、ご機嫌に遊ぶだけだ。
Aが海兵たちがカッコつけて訓練しているのをみていた時、ふと自分が迷子だということを思い出した。
ビブルカードを見ると、明らかに反応が近くなっている。
「ねえ、多分このあたりだよ！船を探して、大きい船！」
全員がキョロキョロと辺りを見渡す。
すると、かすかに船が見えた。
「ありました！」
「舵を切れ！」
その船に向けて近寄っていく。Aはいそいそと帰り支度を進めた。
そうして、だんだんと近づくと______船の全貌があらわになった。
白く大きい船……それはまさしく、大海賊、白ひげ海賊団の本戦。
海軍の船の上では、静かな沈黙が流れた。
「あれ！Aの船！おーーーい、オヤジー！みんなーー！」
ブンブンと大きく手を振るA。
赤犬はわなわなと拳を震わせながらAに問いかけた。
「まさか…海賊か……？」
「そうだよ？Aは海賊。言ってなかったっけ」
「「「言ってねえよ！！！」」」
赤犬はまさか…と思う気持ちと、やはり…と思う気持ちが頭を回った。
どこかで気づいてはいたが、信じたくなかったのかもしれない。
すると、船からバサバサと音を立てて青い鳥がとんできた。
「A！」
「あ、マルコー！久しぶり！」
「久しぶり、じゃねえよい！何してんだ海軍の船で！」
Aがマルコに駆け寄ると、マルコはひしっとAを抱きしめて離さない。
「不死鳥マルコ…」
「！…海軍大将様じゃねえかよい」
赤犬のつぶやきで海軍大将がいることに気づいたマルコは、抱きしめたまま赤犬を睨みつける。
もぞもぞと必死に動きマルコの胸から顔を上げたAは説明した。
「あのね、大将赤犬が送ってきてくれたの」
「ふん、それはご苦労なことだねぃ」
「もうっ！マルコっ！愛想悪いんだから！」
赤犬は何も言わずじっとその様子を眺めていた。
Aはマルコの腕から抜け出すと、パタパタと赤犬に走りよった。
そして、あろうことか抱きついた。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
