19話 ページ20
次の日から、Aは兄たちから距離を置き、一人でいることが増えた。
たまに心配した兄が話しかけようとするが、そのたびにAはツーンとそっぽを向く。
だんだんと、兄たちはシーナと過ごす時間が増えていった。
「私の勝ち…！」
「シーナちゃんなんかいった？」
「なーんにも！」
兄たちはシーナに甘くなった。まるでAにしていたようにお姫様扱いするのだ。
それに調子にのるシーナ。どんどんAの居場所を奪っていった。
ある日の夕食。
いつもシーナは席を転々として食事を取っていた。
「今日はどこに座ろうかなぁ」
シーナはご機嫌に男たちを見渡した。すると、マルコの隣が空いているのをみつけた。
隊長たちは同じテーブルで食事を取っている。マルコの周りは沢山の隊長が楽しそうに話していた。
いつもならマルコの隣はAの席。
だが、今日は空席のままだったのだ。
「マールコさん！お隣いいですかー？」
「あ？ああ……別に構わねえよい」
やったーと可愛い笑顔を作ってマルコの隣に座る。
以前なら絶対断られていただろう。自分がAより大事にされることが嬉しくてたまらなかった。
すると、食堂にAが入ってきた。
いつものように夕飯を受け取ると、マルコの隣へと向かった。
しかし今日はシーナがいる。
シーナは席のないAに勝ち誇った笑みを見せた。
「ねえ、どいてくれない？」
Aも動じない。
ズカズカと突っ込んでいった。
「え？でも、席は自由って」
「そうだね、でもそこは私の席だから」
シーナはわざと怯えた顔をしてマルコにすり寄った。
「マルコさんがいいって言ってくれたのに」
「は？マルコ、そんなこと言った？」
「あぁ、まあ…Aが来るまで、だけどな」
あっさりとシーナの手を振り払うマルコ。
シーナはあっけに取られたが、たしかにマルコはまだシーナの虜にはなっていない。そう考え、他の人に泣きついた。
「い、イゾウさん」
「うちのお姫様が言うならしょうがねぇ。どいてやんな」
「はっ…ハルタさん！」
「ほら、早く。あっちの席が空いてるよ」
あたりを見渡せば、全員がシーナを見ていた。それも、退いてやれという視線で。
どうして！私の方が好きでしょう？なんで私が退いてあげなきゃいけないの！？
シーナはかあっと自分の血が沸騰するように熱くなるのを感じた。
そこにAが追い打ちをかける。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
