白い悪魔と呼ばれた女兵士《進撃》２ (ページ6)

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A「なんだか得した気分だねぇ！」

2人して両手いっぱいに贈り物抱え、調査兵団の拠点へと足を進めていた。

Aはもうケーキを食べたくて仕方ないのだろう、目の前にある真っ白いクリームに釘付けだ。

「転んじまったら元の子もねぇんだから、しっかり前見て歩け」

わかってるよ、といったそばからつまづいた。あぶねぇ！と大声を上げるA。だから言ったろうに。

それでも興奮していることが見て取れるAは、もういつものAだ。

疲れさせてしまったかもしれないと不安だったが、街の奴らに元気付けられたんだろう、元気なAが戻ってきてくれて俺は幸せだった。

A、と呼びかけると俺を見下ろすAの顔。いつまで経っても見下ろされるのは気に食わないが、気持ち、本当に気持ち背伸びをしてAの唇にキスをする

ふふ、と笑うAが夕日に照らされてまるで女神のように透けた

白銀に輝く髪と、薄いブルーの瞳を見ると悪魔と呼ばれるには程遠い存在だった

悪魔。そう呼ばれ続けた人間がこうも綺麗な心と笑顔を失わずに生きてこられるのか。根本的にAの精神の強さなんだろう。

どれだけ罵られ疎まれようと、命を賭して人々を救ってきたAの努力が本人も知らない場所で尊敬に文字を変えて伝わっているとはな。

これから先は、俺がAを支えてやろう。
1番近くで支えてやろう。
不安に思うことも俺が全部かき消してやる。

「...ケーキは飯の後だからな」

髪を撫でながら大切にしようと心に誓い、そのときふと思ったことを口にした。

途端に鼻歌を歌っていたAの顔が分かりやすく曇ったが、回復後にこんな偏った食べ方をさせるわけにはいかない。

「それに1日一切れまでだ」

A「なんでだよぅ～、回復祝いって言ってたでしょ～」

自らの口でベソベソブーブー言うAからは兵士長なんて雰囲気は全く感じられなかった。