【原朔哉】(中2) 昼休み 1 ページ17
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俺の本性を見抜いたのは、今吉翔一で“2人目”だ。
1人はコレ。
今俺の目の前で、俺の机に座りながら、俺の本をペラペラと捲っているコイツ、原朔哉。
「おい朔哉、机座んな。」
机に片肘をつきながら背中を小突くと、朔哉は机に座ったままの姿勢でさらにぐっと背中を倒した。
机に寝転ぶ様な体制で、本を持った両腕を天井へ向かって伸ばす。
「ねぇはなみゃー、これなんて読む?」
「“せつせつ”。というか返せ。」
本を取り返そうと手を伸ばす。
が、スルリと避けられ、背を向けられる。
コイツはいつも、必ず昼休みにだけ俺のところへ遊び(という名の読書の邪魔)に来る。
もちろん、俺に好意がある訳でも用事がある訳でもない。
なぜ昼休みだけなのかもわからないが、わざわざ6組から2組の俺のところにまで来て、他愛のない話を(たまに今吉さんが混ざって)する。
それもこれも、朔哉が俺の本性に気づいた1年からだ。
「ね、コレは?」
ガバッと起き上がり座り直したかと思うと、今度は開いたページを俺に向け近づけた。
「てめぇ人の話し聞いてんのか。」
俺の『返せ』をスルーして自分の質問を押し付ける辺り、やはりコイツはかなりの自由人だと思う。
朔哉の手から本を奪うと、不満そうに頬を膨らませ、「ぶーっ!」と口を尖らせた。
と、そんな俺たちを見た奴等が、ヒソヒソと耳打ちをし始めた。
クラスにはまだ他の奴がいて、俺は下手に行動が出来ない。
「花宮君が怒ってるー」「大きな声上げるの、珍しい・・・」
などと、そんなようなことを微かに聞き取った。
「まこちゃんの猫かぶりも形無しだねぇ・・・むぎょっ!?」
にやにやと緩みきった頬を片手で掴み、潰す。むにっと。
「誰のせいだと思ってんだ・・・!」
そう。全ての始まりはコイツのせいであり、コイツと同じクラスになったことが原因なのだ。
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水希 - 参加したいです! (2018年5月21日 17時) (レス) id: 3c8893256c (このIDを非表示/違反報告)
リフル - 自分が書いた奴を消しました。 (2017年2月12日 13時) (レス) id: ac365a8709 (このIDを非表示/違反報告)
奏葉(プロフ) - 未宇さん» はじめまして。是非どうぞ!でも私はこの一週間ここに来れそうにないのでやり方だけ教えますね! (2016年3月29日 7時) (レス) id: 28b2dcf9a2 (このIDを非表示/違反報告)
未宇 - 参加していいですか? (2016年3月28日 23時) (レス) id: d7839a77d6 (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - えっ!新機能スゴッ!?そんなのあったんですねぇ〜・・・って、ここ書き込んでいいんかな・・・失礼しましたぁー! (2016年3月8日 19時) (レス) id: 4dd9c8676b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃらめる x他7人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月6日 18時