01.契約恋愛・相葉編 ページ31
.
開いたままの口を閉じるのを
忘れそうになっていた
.
.
たった今まで隣にいた彼女が
まるでドラマみたいに男の元へ駆け寄って
そしてそのまま
俺んとこに戻ってくることはなかった
せっかく思い切って誘ってみたのに
デートだ！
なんて浮かれて来たのに
簡単に他の男が彼女をさらっていった
.
怒り、とか
悔しい、とか
そんな思いじゃなくって
ただ呆然と働かない頭で
歩道橋の上で抱き合う二人を眺めていた
.
上がってたはずの気持ちは
音を立てながら急降下する
.
なんだよ
好きなオトコがいるんなら最初から言ってくれればいいのに
変な期待してた俺は
何なんだって
この気持ち、どーしてくれんだって
やり場のない思いだけが残されていた
.
.
そんな俺の前に
A「申し訳ありません。」
長いまつ毛を伏せた女性が
本当に申し訳なさそうに俺に言う
カッチリとしたスーツ姿に、後ろにまとめただけの髪の毛
どっからどー見てもキャリアウーマンに見える女性は
明らかに知らない人
.
雅紀「あの……？」
A「不出来なうちの櫻井が、とんでもない失礼を致しました。」
見覚えのない女性は深々と頭を下げた後
きゅっと唇を結んで
俺の前に真っ直ぐに向き合った
.
櫻井
それは彼女が口にした名前で
あの男の名前なんだとバカでも簡単に察しがつく
だけど「うちの櫻井」と言った女性の言葉に
ハテナマークだけが頭に飛び交う
.
雅紀「あの……あなた、は……？」
A「わたくし、こうゆう者です。」
女性はバックから一枚の名刺を取り出して
俺の前に差し出しす
ネイルこそしていなくても
手入れされた爪の先がやけに印象的に思えていた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四葉（よつば）
作成日時：2014年5月3日 16時
