28. ページ28
.
翔「僕は、自分を抑えるのに大変でしたよ？恋人の真似事がどんなに苦痛だったか……。」
.
こんな歩道橋の真ん中で
それも太陽の降り注ぐ中で
櫻井さんが私を抱きしめる
.
A「だって……一緒にいた女の人……。」
翔「彼女は仕事のパートナーです。恋愛感情なんて一切ありません。」
A「そ……。」
翔「前に言いましたよね？友人だ……って。」
背中に回った腕がふわりと緩んで
櫻井さんは私に、はにかむような笑顔を見せた
.
A「わたし……櫻井さんのこと、なにも知らない……。」
翔「いいんです、知らなくても。 」
A「だって……っ！」
翔「これからゆっくり知ってもらえれば……それでいいんです。」
A「………っ。」
翔「僕はAさんの個人情報は詳しく頭の中に入ってますけど(笑)」
A「ふ、不公平ですっ//」
翔「そう、かも知れませんね(笑)」
ふふ……って笑ったその顔に
弾むように胸が鳴る
もう一度、そのまま抱きしめられて
耳元に囁くような声が響いた
.
翔「こんな風に抱きしめるとか。」
A「……っ///」
翔「どんな風にキスするとか。」
A「それは……っ//」
翔「それから……どんな風に―――――するとか。」
A「〜〜〜っ///」
翔「なんて、これじゃあセクハラになっちゃうか(笑)」
.
真っ赤になった私にからかうように櫻井さんは笑った
.
翔「これからゆっくり……知っていって貰えれば、それでいいんです。」
A「……はぃ//」
翔「もちろん大人の付き合い方で。」
A「……はぃ///」
.
歩道橋の真ん中で
人目も気にせず櫻井さんに抱きつく
もう
契約なんかじゃない
仕事なんかじゃない
櫻井さんとの恋を
これから始めようとしてるんだ
.
.
『あなたの心、癒やします。』
そんな、たった一枚のビラから始まった関係は
心を癒すだけじゃなく、恋の切なさも喜びも一緒に連れてきてくれたんだから
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四葉（よつば）
作成日時：2014年5月3日 16時
