ﾟ･*:.｡.契約恋愛.｡.:*･゜ (ページ19)

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A「もしもし……。」

翔『櫻井です。先日は、お連れ様とご一緒のところにお邪魔致しまして……。』

A「いえ……それは、構わないんですけど……。」

翔『契約事項の変更を……ご連絡したいと、お電話致しました。』

A「………はい。」

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あくまでも事務的に、櫻井さんの言葉が続けられる

それがあまりにも他人行儀に感じて

凄く、寂しくて悲しい

櫻井さんからしたら

仕事の関係だけなんだから

それが当たり前なのかも知れないけれど

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翔『出来れば今から直接お話したいのですが。』

A「今から……ですか？」

翔『はい。お時間は取らせません。』

A「でも……っ、もう出かけるには、遅い時間……。」

翔『いえ、Aさん。』

A「……はい。」

翔『そのまま窓から顔を出してもらえますか？』

A「………へ？」

翔『すぐ下に、僕……いますので。』

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その言葉に

カーテンを開けて窓の下を覗くと

携帯電話を耳に当てた櫻井さんが路上からこっちを見上げていて

それを見つけると途端に

速かった心臓が、一層速く走り始めてた

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A「あの……っ、今……降ります……から……。」

翔『よろしくお願いします。大切なお話になりますので。』

A「……はい。」

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きっと、契約事項の変更は

契約自体を終わらせることだ

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契約書一枚の関係は

簡単に二人の関係を他人に戻す

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会いたい

だけど、会いたくない

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そんな想いが

体中を駆け巡っていた

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