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駆け引き ページ47

『…いつ?』

「え?」

嘘、入れてくれるの?

「土曜日の午後だけど…」

『じゃあ出かけようかな』

「いいわね、どこ行く?」

『ふは、一緒にじゃないよ』

あ、笑った。

『留守にするってこと』

「別にいいわよ。太輔が帰ってくるまで扉の前でずーっと待ってるから」

『勘弁してよ、ほんとに』

「入れてくれたら家のこと色々してあげるよ?」

『家事得意なんで、間に合ってます』

もー、可愛くない。

「他にも色々奉仕してあげちゃうのにな〜」

『欲求不満じゃないので大丈夫です』

「ふふっ、そっちの意味じゃないわよ。マッサージとかの意味だったんだけど?」

『…今のはズルい』

「ズルない、太輔がやらしいだけよ」

『普通そっちだと思うでしょ…』

訂正。太輔はやっぱり可愛い。

「じゃあ、土曜日の午後。ちゃんと入れてね?」

『だから嫌だって』

「おやすみなさい」

『こら、切ろうとするな』

「だって太輔の優しい声聞いてたら眠たくなっちゃった」

あれ、太輔黙っちゃった。

やり過ぎたかな?

「太輔ー、おーい」

『来ないって言うまで切らない』

「あ、咲が起きちゃったかも。じゃあまたね」

『ちょ、』

強引に切ってしまった。

もちろん嘘で、咲はすやすや寝ている。

今頃「はぁ、」って溜め息ついてるだろう太輔が頭に浮かんで笑ってしまった。






次の日。

門に立ってる太輔に笑顔で挨拶をした。

「おはようございます!」

「…おはようございます」

幼稚園の先生らしからぬ、眉間に皺を寄せた難しい顔で挨拶する太輔。

「太輔先生、おはようございますっ!」

「咲ちゃん、おはよう」

咲には笑顔で挨拶をする太輔が面白くない。

咲が園に入っていくのを見届けてると太輔の視線が痛いほど突き刺さる。

「…伊藤さん」

ちょっとキョロキョロ辺りを見回しながら小声で話す太輔が可愛い。

「なあに?」

「僕、ほんとにいないので来てもらっても駄目ですよ」

「だから、待ってるって言ってるじゃない」

「待ってても駄目だって」

「いや。待ってる」

「…A、」

あ、名前で呼んだ。

「おはようございまーす」

そこで他の親子が来て、太輔はすぐ幼稚園の先生の顔になる。

「あ、おはようございます」

「太輔先生〜」

園児に抱きつかれてる太輔。

「じゃあ太輔先生、よろしくお願いします」

私は唖然とする太輔ににっこり微笑むとその場を去った。

私、ドSなのかな。

昔から、太輔のこと困らせるのすごく楽しいもん。

太輔のマンションへ→←お願い



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作成日時:2018年12月9日 19時

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