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咲の好きな人 ページ39

「さ、咲。この間は太輔先生と結婚したいって…」

「んー、でもやっぱり北山先生がいいのっ」

「そうらしいすよ。今日太輔先生、フラれてましたからねー」

「ええっ?」

「太輔先生、泣いてたー」

「ええっ?!」

「いやいや横尾さん、泣き真似ですよ」

「…びっくりしました」

好き好きアピールなのか北山先生の腰にすりすりする咲。

「咲、駄目よ。北山先生お片付け中だから」

「えー」

「よしっ、じゃあ咲ちゃんに手伝ってもらおっかな」

「うんっ!」

北山先生は咲と一緒に車のうしろに荷物を載せていく。

きっといつもより時間がかかったはずで申し訳なくなった。

そこに添川さん親子がやって来た。

「咲ちゃんっ」

玲奈ちゃんが咲のところへ走ってきた。

「Aちゃんお待たせ。ごめんなさいね。ちょっと太輔先生と話し込んでしまって」

「いえ」

「玲奈もやりたいっ」

咲が持っていた小さなブロッククッションを玲奈ちゃんが奪い取る。

「取ったら駄目なんだよっ」

咲がそう言うと北山先生も「そーだぞー。いきなり取ったら転んじゃうかもしれないからなー」と言った。

添川さんは玲奈ちゃんの手を引っ張った。

「横尾さん、行きましょ?」

「あ、はい。じゃあ咲、北山先生にさようならして?」

「やだ、お片付け最後まで手伝いたいもん」

「駄目よ。もう行かないと。それに北山先生もお忙しいから」

「やだぁ!」

添川さんが咲の前に立った。

「咲ちゃん、時間がないから早くしてくれる?」

何それ。

今まであなたたちを待ってたのに。

北山先生がポケットから何か取り出して咲の手を取った。

「お手伝いしてくれた咲ちゃんには、がんばりましたシールを特別にあげるなっ」

手の中のシールを見て咲はすごく嬉しそうに笑った。

「北山先生すみません、ありがとうございます」

「いーえ。んじゃ咲ちゃん、また体操教室でな」

「うんっ」

北山先生は車のドアを閉めて再び園のほうへ戻っていった。

「…あの先生、ちょっと優しさに欠けると思わない?」

「北山先生がですか?いい先生だと思いますよ」

「そうかしら。何かちょっと雑じゃない?太輔先生みたいな気遣いとか出来ないし」

これ以上咲の前で言い合いするのは良くないよね。

「…じゃあ添川さん、車に乗ってください」

「ええ。じゃあ玲奈、車に乗りましょ」

私は添川さん親子を連れて自宅へ戻った。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作成日時:2018年12月9日 19時

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