意地悪な子 ページ28
「…でも、咲は遠足で仲良しの茉白ちゃんと遊ぶのすごく楽しみにしてたから」
「そうかもしれないけど、いつも二人は仲良しだから今日くらい我慢してくれてもいいと思わない?」
何それ。
何でうちの子が我慢しなくちゃいけないの?
「…だから、咲は3人で遊ぶなら全然いいと言ってます」
「玲奈は二人で遊びたいのよ。茉白ちゃんもいると二人で走ってっちゃって追い付かないし」
「……」
どうするのが正解なのかわからない。
「咲ちゃんも玲奈ちゃんもちょっと思いやりないですよね。うちの子走るの遅いんだから待っててくれたらいいのに」
「…咲は優しい子です。茉白ちゃんもいい子だから咲は茉白ちゃんが大好きだし。思いやりがなくて気に入らないなら玲奈ちゃんは違う子と遊んだらどうですか?」
「…っ、うわーーーん!!」
突然玲奈ちゃんは大声で泣き出した。
物凄い形相で添川さんに睨まれる。
遠くで遊んでる子達が一斉にこちらを見た。
太輔が走って来て「玲奈ちゃん、どうしたの?」とあやす。
玲奈ちゃんは太輔にぎゅっと抱きついたら案外すぐに泣き止んだ。
「…咲ちゃんに仲間外れにされたんです」
添川さんが低い声でそんなことを言った。
「違います、咲はそんなことしてません」
「だってうちの子と遊んでくれないじゃない。意地悪な子ね」
そんなことを言われて悔しくて視界が滲む。
太輔は玲奈ちゃんを抱っこすると明るい声で「よし、じゃあ先生と遊ぼっか!」と言い歩き出す。
「太輔先生、すみません」
添川さんはピタッと太輔の隣について歩いて行った。
何あれ。
被害者面しすぎじゃない?
太輔もひどいよ。
添川さんの言葉を信じたの?
立ち尽くしてると咲がこちらに走ってきた。
「ママ…」
咲が私にぎゅっと抱きついた。
「ごめんね」
ちっとも悪くないのに、落ち込む私を見て謝る咲。
「咲ちゃん、悪くないよ!茉白がひとりぼっちやだって言ったから…。咲ちゃん意地悪なんかじゃないよ」
茉白ちゃんがそう言ってくれて更に泣きそうになった。
私は二人を抱きしめた。
「咲は何にも悪くないよ?咲はみんなに優しくていい子だって、ママは分かってるから…。茉白ちゃんも咲のことそんな風に言ってくれてありがとね…」
太輔は咲のことを何にも分かってなかった。
添川さんの態度よりも、そっちのほうがショックだよ…。
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作成日時:2018年12月9日 19時