熱情 (ページ27)

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有り得ないお願いページ27

咲が太輔やお友達と遊んでるのをしばらく見続けたあと、ママ達が座っているところへ戻った。

みんな、私の顔をじろじろと見てくる。

何だろう？

「…咲ちゃんママ、太輔先生とすごく仲良さげなのね」

「え？あ、そうかな？」

「太輔先生があんな風にふざけるの、上の子の時も見たことなかったわ」

一人のママに「そーそー」とみんなが同意する。

「あの噂になったみのりちゃんママですら、あんなに砕けた態度じゃかったわよ」

「声までは聞こえなかったけど何話してたの？」

「なんかバッタを咲ちゃんママに向けてなかった？」

「あんな悪戯っぽい顔、初めて見たよねー」

羨ましがれてるのか、詮索されてるのか、頭の悪い私には分からない。

けど単純に嬉しかった。

みのりちゃんママよりも、砕けた態度だという太輔。

私にしか見せなかった顔。

「…悲鳴が聞こえたから、慌ててきたらバッタだったって。大人になると虫は怖くなりますねって言われたの」

意外にも普通の会話だったからかもうそれ以上は突っ込まれなかった。

「伊藤さん」

添川さんに声をかけられた。

お子さんと手を繋いでいる。

下を向いて泣きそうだけど何かあったのかな？

「はい」

「咲ちゃん、呼んできてもらえる？」

「え？」

「うちの子、咲ちゃんと遊びたいみたいなの」

「…じゃあ咲に「あそぼー」って言ってみたらどうかな？」

その子に言うと添川さんは「うちの子、自分からは行けないの」と言われた。

「わかりました…」

咲のもとへ歩いて行く。

いつも一緒にいる茉白ちゃんと仲良く草でおままごとをしている咲。

茉白ちゃんも咲みたいに動くことが大好きで咲ととても気が合う子だ。

「咲」

「なーにぃ？」

「あの子が一緒に遊びたいみたい」

添川さんのお子さんのほうを見て咲に言った。

「玲奈ちゃんはダメだよー」

咲にしては珍しい言い方だ。

「どうして？」

「だって玲奈ちゃん、茉白ちゃんはやだって言うもん。咲は茉白ちゃんと一緒がいいもん」

どうやら詳しく聞いてみると、玲奈ちゃんは咲と二人がいいから茉白ちゃんにどっかいってと言ったみたいだ。

先に仲良く遊んでいたし、後から入ってきたのに茉白ちゃんにどっかいけはひどい。

咲の話を鵜呑みにするのも良くないと思い添川さんのところへ戻る。

咲が言ったことを伝えるとその通りだと玲奈ちゃんは認めた。

「咲ちゃん、ずっと茉白ちゃんと遊んでるんだしそろそろ玲奈と二人で遊んであげてくれる？」

…え？