賞味期限 ページ25
そうして、何日か経った夜。
咲は明日の遠足が楽しみで仕方ないみたいでなかなか寝ない。
落ち着いた声で話しかけたり、眠くなるような絵本を読んだりして、ようやく寝てくれた。
明日は早起きして、咲が大好きなピカチュウのキャラ弁を作ろう。
そう思って布団に入ると、テレビを見終わった光輝くんが隣に来た。
肩に触れてきたから寝返りをうつ振りをして向こうを向く。
心が狭いよね、私。
この間のことを許せてないから、だから触られたくない。
「んだよ、今日なら頑張れそうだったのにさ」
その言い方。何とかならないの?
「頑張って無理矢理してくれなくてもいい」
「…二人目、欲しいんじゃないの?」
「欲しいわ。欲しいけど、頑張ってまでしてもらわなくてもいいってこと」
「あーそーかよ」
渉くんは向こうを向いてしまった。
頑張らないと、私に欲 情はしない。
そんな風に言われたら、私だってする気にはなれないよ。
求められたいの。
どうしても私が欲しいって。
例えば光輝くんは職場の若い子なら抱きたいと思うのかな。
シャツから偶然見える谷間やスカートからのぞくふとももにムラっとしたりするの?
私も前は出来るだけ女らしくいようと下着やパジャマに気をつかったりしてたけど、光輝くんは私には見向きもしなかった。
虚しい。
悲しい。
女はいくつになれば、自分の女を諦められるの?
30代って、複雑過ぎる。
諦めるには早いけど、もう旬はとっくに過ぎている。
でもまだ性 欲はあったりする。
けど誰でもいいわけじゃない。
…愛されたいな。
私のことを、強く求めて欲しいよ─────
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作成日時:2018年12月9日 19時