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入園式 ページ2

今日は咲の入園式。

近所のデパートで買った白いスーツを着て鏡の前に立つ。

久々に着るスーツに心が踊った。

髪型をゆるくアップにしてみたけれど、若作りの気がして結局一つにまとめて華やかなシュシュをつけた。

リビングに降りていくと、真新しい制服を着た咲を光輝くんがカメラで何枚も撮っていた。

「ママ、可愛いっ!」

私の珍しいスーツ姿を見て笑顔でそう言ってくれる咲は天使みたいに可愛い。

「あら、Aちゃん、素敵」

お義母さんも褒めてくれて恥ずかしくなった。

「光輝、ほら、Aちゃん素敵よ?」

お義母さんの言葉にチラッと私を見た。

「おー、いいね」

そう軽く言うとまた咲の写真を撮るのに夢中になる渉くん。

「もー、光輝ったら。やっぱりAちゃんは美人だからこういうピシッとした格好がとても似合うわね」

「いえ、そんな…」

「普段ももっとお洒落したらいいのに」

その言葉には曖昧に微笑んでおいた。

働いていないから、必要最低限のものしか買っていない。

「よし、行くか!」

光輝くんの声に「行くか!」と咲が真似した。




幼稚園に着くと、まず受付でクラスを教えてもらい、その指示された教室へ向かった。

小さい机と椅子が可愛い。

名前の貼ってあるところに咲を座らせた。

「あ、ピカチュウ」

隣に座った男の子が、咲のシューズ袋を見て言った。

「ピカチュウだよ」

女の子なのにプリンセスではなくて、ポケモンが好きな咲。

男の子は「僕も好きっ」と笑った。

良かった。

隣の子とさっそく気が合ったみたいで安心した。

男の子のママと目が合った。

軽く会釈すると相手のママも笑ってくれて安心する。

光輝くんは座ってる咲の写真も撮っていて恥ずかしくなった。

「皆さんはじめまして。副担任の鈴木弥恵です。担任は今来ますのでお待ちください」

園児がソワソワしだす。

一体、どんな先生だろう。

優しい先生だといいけど…。




「すみません、みなさん。お待たせ致しました」

…嘘。

「ひよこ組を担任させていただきます、藤ヶ谷太輔です。よろしくお願い致します」

まるでアイドルの世界から出てきたような彼にママ達は浮き足だった。

私を除いて。

彼は私のほうを見るとふわりと微笑んで、胸がぎゅっと締め付けられた。




藤ヶ谷太輔。

彼は私が昔付き合っていた人だった。

触れた手→←家族だから



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作成日時:2018年12月9日 19時

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