「消してよ、早く」 ページ3
「ったく、どこにあるの？」
暗闇でひとつ影が動く。影の正体は一人の少女。彼女の手には黒い封筒が握られているが、強く握りすぎたせいか。ぐしゃぐしゃになっている。
「ここも、ここも！ここも！！どこよ！？」
路地裏に曲がっても見付からない。
周りを見渡してみる。すると
ふっ、とある路地裏へと引き寄せられる。
路地裏へと歩み続けると目の前に洋風の建物が。そこの扉を開ける。
すると、チリン。と鈴がなった。
「やあやあ、いらっしゃ・・・って来てくれたんだ。まぁ、ここに座って？」
店内はアンティーク風のもので囲まれている。テーブルは白く椅子は赤茶色をしておりテーブルの白さが目立つ。
「さて、と。飲み物何がいいかな？
＿＿＿＿紅茶がいいよね。」
「は！？私なにもいってないし、てかなんで紅茶が好きなの知ってるの！？」
「え？私は”好きな”なんて言っていなんですけど？あくまでこれがいいかなっていうこと、だよ？」
コトッ、と目の前に紅茶を出される。
「えーと、君は何を消したいの？」
「・・・あいつの、美原の、人気を今すぐに消して！！！！！」
バンッとテーブルを思いっきり手を叩く。強く叩きすぎたせいで手がジンジンとしているが今は関係無い。
「うん。わかったわかった、から落ち着こう？一旦紅茶飲んで、さ。」
ゴクゴクッ ダンッ！！
紅茶を思いっきり飲んで空になったコップを思いっきり置く。
「・・・そこまで消したいんだね。
自分が一番じゃないと気にくわないということだよね。」
こいつは何を言っているんだろう。
「そんなの当たり前。誰だって一番が良いじゃない。私は今までずっと一番だったし、勝ち組だった。ずっと周りから可愛いね頭いいねスタイルいいね運動神経いいねって言われて親には何でも一番になりなさい。一番になるならば手段は問いません。って言われ育ってきたから。」
「・・・そういう教育されてきたのか。まぁ、いいか。私には関係無いし。それじゃあ、"美原さんの人気を消したい"でいいかな？」
「・・・もちろん。一番になるならばなんだってしてやる。」
「そっか。じゃあ消すよ？」
目の前に手をかざされる。無意識に目を閉じていく。手でトンっと眉間を押される。たいして強くはない。
いや寧ろ弱い。だが体はそれで倒れかけた。感覚がなくなっていく。徐々に体がふわふわとしてくる。空を飛んでるかのように。
「はい。消去したよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嘘つきピエロ - 心に響くものがあってめっちゃ惹かれました！ (2020年11月29日 1時) (
レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ドォナツさん» 返信遅くなりすいません！ありがとうございます！こういう世界観って書くのが難しいんでそう言ってもらえて嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年5月14日 18時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ドォナツ - ダークな世界観が大好きです！応援してます (2020年5月7日 16時) (レス) id: 871381f269 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - haru☆さん» うわああああ！すごい嬉しいです！私が好きな世界観を私なりに作っているのでそう言ってくださって嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年4月21日 22時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
haru☆(プロフ) - 世界観が凄い好きです、更新頑張ってください！ (2020年4月21日 19時) (レス) id: 8a171a65b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイン | 作者ホームページ：http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時：2020年2月22日 13時
