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「重圧」 ページ14

母の英才教育と世間は言うのでしょう。僕からしたらただの

と少年がいいかけたときに

プルルルル.. プルルルル..とスマホの着心音がなった。

「すいません」
一言だけそう呼び掛け少年は電話に応答した。

「もしも『ちょっと!レッスンの時間よ!!遅れてるじゃない!!』知ってるよ」

スマホから罵倒の声が聞こえてくる。
とても大きくその様子からかなり苛立っていることがうかがえる。

『知ってるよ、じゃありません!良いですか、スケジュール通りにしなさい!五分前には着いてるものなんです!まったく!!!』

「・・・・・・どうする?ここまでにする?今日は。また今度でもいいけど」

そうは言ってもぶっちゃけるとこの子の母親の声がうるさくてたまらない。
他の女性よりも甲高い。僕この声嫌い

「今日は休む。もう連絡してある。それじゃ」
『は?ちょっ何勝手に決めてるの!!言ってるでしょ!!貴方はてんさっ』

ツー、ツー 電話を少年から切ったようだ。

「いいの?お母さんとても怒ってたよ?」
「いいんです。今ので分かりますよね?母がどういう人か」

今ので分かった。この子の母親は世間体にとやかくうるさいタイプということ、そして何より自分の子が天才だという自慢を持っていること。

別に、母親の功績ではないのに。
なぜか親というものは子供の何かが人より勝っていると優越感に浸る。

あくまで子供の力だというのに。

親って不思議だよね。いつか自分もそうなるのかもしれない。それだけは避けたいな。

ただの"大きくなった人に"になったわけではない。僕は、きちんとした"大人"なのだと信じたい。

「あの、」
「ああ。ごめん。考え事してた。で、結局消すの?才能もったいないよ」
「母の自慢の対象になるぐらいなら入りません。僕は、確かに母の子供です。でもだからといって母に素直に従う操り人形でもありません。」

少年の目からは強い決意を感じる。
よほど母のことが嫌いなのだろう。

それもそうだ。

少年の母は毒親である。

「でも、音楽は好きなんでしょ?」
「ピアノだけが音楽とは限りません」

揺るがないな。こういうタイプは一度決めたら頑なに拒むから、ちょっと厄介なんだよね。

「どうして、僕が才能を消すのをそんなに止めようとするんですか!貴方に関係無いでしょう!!」

どうやら少年を怒らせたらしい。

「人の気持ちがわかりますか!!」







「分からない。人じゃないし」

「真実という名の嘘」→←「期待」



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作品ジャンル:ホラー
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嘘つきピエロ - 心に響くものがあってめっちゃ惹かれました! (2020年11月29日 1時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ドォナツさん» 返信遅くなりすいません!ありがとうございます!こういう世界観って書くのが難しいんでそう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます! (2020年5月14日 18時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ドォナツ - ダークな世界観が大好きです!応援してます (2020年5月7日 16時) (レス) id: 871381f269 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - haru☆さん» うわああああ!すごい嬉しいです!私が好きな世界観を私なりに作っているのでそう言ってくださって嬉しいです!ありがとうございます! (2020年4月21日 22時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
haru☆(プロフ) - 世界観が凄い好きです、更新頑張ってください! (2020年4月21日 19時) (レス) id: 8a171a65b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイン | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/  
作成日時:2020年2月22日 13時

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