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二人がボールに視線を向けているのを良いことに、睡蓮自身はその場で高くジャンプした。
最高点まで到達し、重力に従って落ちて行くボールを睡蓮の足が捉えた。
そして、力の限り蹴るとボールはゴールへと一直線へと飛んで行った。
味方も相手もその光景に目を見開いた。唯一人を除いて。
睡蓮が打った場所からゴールまでの距離は約20m程離れていた。
例えゴールに辿り着いたとしてもその前に威力が落ち、簡単にGKに取られるだろうと相手側はたかを括っていた。
それが睡蓮の策略とも知らずに。
確かにボールの威力はゴールに近づく程威力が落ち始めていた。これなら余裕で取れると相手のGKは思っていた。そう、この時までは。
威力を失いつつあるボールの先には、ゴールに向かって走っている青年がいた。
青年が顔を少しだけ後ろへ向ける。ターコイズブルーの瞳がボールを捉えたのを確認すると直ぐに前を向いた。見据える先はゴール一筋。
オフサイドラインギリギリまで詰めた青年は立ち止まらずそのまま右足を後ろに下げ、シュート体勢に入った。
ここで相手のGKは嫌な予感がした。
いや、そんな事はない。
あり得るはずがない。
出来るはずがない。
そう自分に言い聞かせた。
しかし、その予感は見事に的中した。
ボールは青年の右足に吸い込まれるように落ちていく。位置、高さ。シュートを打つに置いてまるでパズルのピース同士がぴったり合わさったかのように完璧だった。
「決めなさい、凛ちゃん」
凛と呼ばれた青年は右足に全ての力を集中させ、力強いシュートを放った。
ボールはゴールへと一直線に向かう。相手のGKは手を伸ばすがボールのスピードの方が速かったようでそのままゴールネットに強く突き刺さった。
途端にゴールを決めたチームから湧き上がる歓声。それはコート内だけに留まらず、コート外で試合の行末を見守っていた控えの選手と監督、コーチもだった。
スコアが3ー0へと変わる。ここでホイッスルが長めに三回鳴り、試合終了を告げた。
凛の側に睡蓮が寄り、彼よりも少し高い頭を撫でる。
「ナイスシュート凛ちゃん」
「……うるさい、さっさと並ぶぞ睡蓮」
撫でる手を腕で振り払い、顔一つ変えないまま歩いて行った。その姿にもはや見慣れてるのか「はいはい」と軽い口調で言い凛の後を着いて行く。
サッカーコートから離れた所、一人の女性がその光景を見ていた。
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黒帽子(プロフ) - マジモンの名無しさん» コメントありがとうございます。はい、名前は固定にしています。 (9月29日 23時) (
レス) id: c6197c58a9 (このIDを非表示/違反報告)
黒帽子(プロフ) - チエリー・ルミさん» コメントありがとうございます。そうですねなるべく大人の女性に見えるようにとあと色気があるようなキャラにしましたww (9月29日 23時) (レス) id: c6197c58a9 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - お名前って固定ですか (9月29日 16時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
チエリー・ルミ(プロフ) - 見た目ママンだww (7月5日 15時) (レス) @page29 id: 642921c4b7 (このIDを非表示/違反報告)
黒帽子(プロフ) - 黒糖さまでーすさん» 睡君の事をそこまで言ってくださるなんて作者感激です！！イラストの感想もありがとうございます！後々睡君の暗殺教室時代のイラストも載せようかなと思っております。 (2023年3月21日 0時) (レス) id: 5ad37fcfe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒帽子 | 作成日時：2023年2月4日 23時
