35 ページ35
みんな、「山田くん、山田くん」で。
私はみんなが山田くんに注目している間に、ふっと小さくため息をもらした。
背中に感じる視線。
本当に、何気なく、だった。
何気なく振り向いた先には、大貴がいて。
思いっきり、ばっちりと目が合って。
大貴は、自分の机に頬杖をついてジッと私を見つめてた。
私はとっさに大貴から目をそらして、前を向く。
だけど、やっぱり背中に視線を感じて。
胸がぎゅうぅぅと苦しくなって。
私は席を立って、教室から出た。
どこか行く当てがあるわけでもなく、気がついたら食堂に来ていた。
朝の食堂は、職員の人たちがお昼のための仕込みなんかをしていて。
生徒は誰もいなかった。
誰もいない食堂の隅っこの席に私は座った。
「朝からアイス食べんの？？」
突然、背後から声をかけられて驚く。
振り向くと、そこにいたのは・・・・
大貴。
有岡「腹こわすだろー」
大貴は少しこわばった顔をしていたけど。
きっとこわばった顔をしているのは、私も同じだった。
A「アイス食べないし」
有岡「ふーん」
大貴はそう言いながら、私の隣に座った。
どうしよう。
き、き、気まずい。
有岡「なあ」
A「え？」
有岡「もう具合いーの？」
大貴が私の顔を少し遠慮がちにのぞきこんだ。
私は小さくコクリと頷く。
有岡「朝・・・」
A「ん？」
有岡「山田と手、繋いでたな」
大貴に見られてたんだ、って。
大貴には関係ないはずだけど、なんだか悪いことしたみたいな変な気分になった。
有岡「山田と・・・付き合ってんの？？」
大貴は、黒目がちの大きな目をジッとまっすぐ私に向けたままだった。
私はその目をそらす。
A「大貴には関係ないじゃん」
大貴には・・・もう。関係ない。
あなたを忘れるために、私は山田くんと付き合ってる・・・。
A「先に教室戻るね」
大貴とこのまま二人きりではいられないと思った。
私は立ち上がると、歩き出そうとした。
有岡「待てよ」
突然、大貴に手首を掴まれて。
私はその場から動けなくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 666人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぶたにまにあ(プロフ) - キャストとポジションが最高すぎます（＾_＾）更新待ってます！ (2018年2月21日 0時) (
レス) id: 9232ad4502 (このIDを非表示/違反報告)
ミスド - キュンキュンします！！最高！！更新頑張ってください！！ (2018年2月20日 18時) (レス) id: 2bb8aee70b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - すごくドキドキしながら読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2018年2月18日 19時) (レス) id: 9a53dee1e8 (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - この作品すごく読みやすく面白くて好きです！これからも更新頑張って下さい☆ (2018年2月13日 21時) (レス) id: 44fd8f8597 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - すごく続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年2月7日 18時) (レス) id: 8cb6705672 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなるり | 作成日時：2018年2月4日 12時
