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「 んま。ありがとう。」
何も無かったかの様に ハンバーガーが戻って来た。
この人は … そういう人なのでしょうか… 。
「 あ、っと… はい、」
本人は気にもせず スマホに目を戻す。
ちらっと見えた画面は LINEのトーク画面。
宛先は … お父さん。社長さんか。すごいなぁ。
私も 気分転換に… とスマホを出すと
また テーブルに手が伸びて来た。
「 ハンバーガー代、足りる？」
テーブルには 一万円が置かれていた。
… 何言ってるんだろう。
「 あ…あの… 、」
「 ハンバーガー、一口貰ったから お金返しとく。じゃ。」
と言って 去ってしまった。
「 あ、あのっ！！！！！！！」
もう本人は Bluetoothのイヤホンを耳に嵌めていて 全然聞こえていないし、
脚がすごく長いのに早足で歩くから私が走っても追いつかない気がする…
けど、一万円なんて大金、絶対頂けない。感覚がおかしい。藤井さん。
お金持ちの金銭感覚は怖い。
テキストを早々としまって ハンバーガーもポテトも持ち帰りの袋に入れて
カフェオレを持って、ひたすら追いかける。
一応 姿は見える。よし。
すると突然藤井さんが止まった。メールしてるっぽい。
今がチャンスだ！！！！！！！
一生懸命走り 藤井さんとの距離もあと数メートル。
… その後見えたのは、地面だった。
うっわ… コケた…
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作者名：紬 | 作成日時：2019年8月6日 20時
