4日目 ページ10
【Kishou‐side】
幸いなことに俺と社長が案じていたようなことは起こらずに
休業中に溜まっていた仕事は見事にやり遂げた司ちゃんは
通例の現場が徐々に増えたことで生き生きしている。
今朝も「すごく楽しみ」と分かり易く顔に出して、そのまま俺を置いて現場へ向かった。
1日オフで取り残された俺は一人悲しくソファーに腰を下ろして物寂しい部屋にBGM代わりのテレビを垂れ流して、愛用のiPadを操作する。
特段惹かれる内容は無く、右から左へと聞き流しながらネットニュースや動画サイトを漁ってどれ程か。
手元の端末を見るのも少し気疲れして何かお茶でも淹れようかと立ち上がる。
「花嫁にとって結婚式は一生に一度の__」
ふと耳に入ったナレーションに我ながら分かり易く動きを止めたものだと思う。そして自覚せざるを得ないほど口角が引き攣っていく。
……そうだ、そういえば結婚式関連の話してない。
背筋を冷たい何かがなぞっていく。
結婚に際して、色々話し合って未だ出来てない顔合わせをいつにしようかとか、解決はしてない例の一件のことや、その時に思いつく限りのことは2人で互いに納得のいく形で決めた。
もちろん抜け落ちたものがあるとは思っていた。が
それがよりにもよって結婚式の有無であるとは誰が思うか。
彼女が話題にしないのもただ単に忘れているのかそれとも興味がないのか、それは正に本人のみが知ることだろう。
……だけど
「……。」
画面に映された純白のドレスがふわりと風を受けて膨らむ。
光を受けて煌めくドレスは誰が着ても誰の目をも惹きつけて止まないだろう。なんというのか、特別なオーラと言えばいいのか。
きれいだとかまぁ色々、当て嵌めることの出来る言葉はあるだろうけど
‐
もし…………もし彼女が纏えば尚更。この世でこれ以上無いくらいに素敵な事に違いない。
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愛夢(プロフ) - 紀章さん好きには堪らない作品ありがとうございます!!更新頑張ってください! (2023年2月6日 18時) (レス) id: 1fb4caaf97 (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - Yuiさん» Yuiさん、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます!マイペースに更新しているのでまた覗いて頂ければ幸いです(*^^*) (2022年2月6日 20時) (レス) id: 1b7127d9e3 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 紀章さんファンなんで小説を作成してくれてすごい嬉しいです!続きを楽しみにしてます! (2022年1月16日 13時) (レス) @page5 id: 3c14c8fbd4 (このIDを非表示/違反報告)
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