人生万事塞翁が虎―6― ページ9
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『あーあ。せっかく死ねるチャンスだったのに残念だね!』
皮肉をこめてそういう。
そこへ国木田をはじめ、武装探偵者の社員が集まり、何やら話を始めた。
あれ、これ私いちゃダメじゃね?こっそり帰えるか――――
「太宰、あれはなんだい?」
――――やばい、ばれた。よりにもよって江戸川乱歩かよ。
ちらりと太宰の方を向くが予想していたように意地悪く笑っているだけだった。
『……あれとは失礼じゃないですか――江戸川乱歩さん?これでも一応れっきとした社会人なんですが。』
「へえ、初対面の人の名前を云える人が社会人なんだ。世も末だね!」
『あはは、名探偵で有名な乱歩さんを知らないなんてそれこそ世も末ですよ!』
まさに一発触発。ぴりぴりとした雰囲気が他の人にも伝わった。
『……まあ良いです。私はそろそろ帰るので。さようなら"探偵社"の皆さん。』
八雲はそう振り返りながら無邪気な笑顔で闇に消えた。
あーあ、折角面白くなってきたのにー!!
師匠帰ってきたら八つ当たりしよっと!
『あ、その前に報告書書かなきゃかー。んー……今回は誰に押し付けようかなー。』
倉庫街から少し離れたあたりで、倉庫の方から叫び声――国木田さんだと思われる――が聞こえた。
『うわー……いい近所迷惑だなあ。私だったら安眠妨害で訴えるよ?……まあ、大方太宰が敦君を探偵社の一員にするとか云ったんだろうけど。』
的を当てた思考は誰にも誉められることはなかった。
『あー………暇だなあ。ってか、さっきから独り言多くね?悲しくなってきた。ゲーセンでも寄って帰ろ。』
この間、宣言道理にゲーセンに行き景品を大量に取ったことで定員が泣くことになるのだが、其はまた別の話である。
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くーみん(プロフ) - 藍斗さん» ありがとうございます!!なかなか更新できてないですがこれからもよろしくお願いします!! (2016年8月12日 13時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
藍斗 - おもしろかったです 更新頑張ってください 応援してます! (2016年7月21日 1時) (レス) id: 74bee11643 (このIDを非表示/違反報告)
くーみん(プロフ) - 819さん» わわ!ありがとうございます!そういっていただいて嬉しいです!( ´艸`)これから頑張ります!(`・ω・´) (2016年6月15日 21時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
819 - こんな感じの話好きです!!更新待ってます!頑張ってください! (2016年6月15日 20時) (レス) id: 88493879e7 (このIDを非表示/違反報告)
くーみん(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!!中也さんと芥川さん私も大好きです!なので今後出番が増えるかとwこれからも頑張ります!! (2016年6月13日 22時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くーみん | 作成日時:2016年5月13日 23時