人を殺して死ねよとて―0― ページ16
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『ふんふふーん』
薄暗い廊下を八雲は軽い足取りで鼻歌を歌いながらいた。
「ずいぶんと御機嫌だな。」
『あ、龍!!それに樋口さんも!!』
「…こんにちは」
声の主は芥川と樋口で明るい八雲とは対照的に樋口は暗かった。
だがそんなところをいちいち気にするような八雲ではない。正直今の彼女にそんなことはどうでもいい。
「で、何故お前はそんなに機嫌がいいのだ?」
その問に八雲は待ってました!!とばかりに目を輝かせて答えた。
『よくぞ聞いてくれた!!実はねー
――――師匠が帰還するらしいの!!』
そう、八雲が喜んでいた理由は彼女自身が師匠と呼んで尊敬してやまない我らが五大幹部の一人――中原中也が遠征から半年ぶりに帰還するからである。
『えへへー楽しみだなあ!』
「相変わらず中也さんの事が好きだな。今回の遠征も付いていくって駄々こねていたからな。」
「え!?駄々こねていたのですか!?」
『えへへ、お恥ずかしや』
「なんだ樋口知らなかったのか。あの時は組織壊滅の危機だったぞ。」
「ええ!?そんなにたいへんだったのですか!」
自分の知らない衝撃の事実が次々と出てきて樋口はパニック状態になっている。
「建物半壊、死に人は幸い出なかったが負傷者が大勢でた。その他にもいろいろと被害が出たが……挙げていったら切りがない。中也さんの説得(物理と言葉)によって収まったが、他のマフィアが攻めてきたより大変だったな……」
芥川は何処か遠いい目をしながら語った。樋口は最早引き気味である。
当の本人は照れているようだがその顔には反省も後悔も見えない。そして突然思い出したかのように声をあげた。
『あ、そうだった!首領から伝言!”泉鏡花にかせた任務――太宰治の捕獲は小泉八雲に一任する。”だって!』
「な!!……お前が太宰さんの捕獲を?」
『いえっーす!師匠への逆お土産になるかなーって。まあ、首領からの命令だけどね。捕まえたら新人教育に使っているあそこに繋いでおくから好きにしていいよ。うっかり殺しちゃったなんてないようにねー!』
八雲の口ぶりはまるで失敗など有り得ないかのような気軽さだった。
『じゃあねー』
返事も聞かずに八雲は手を振りながら先程と同じ様に軽い足取りで去って行った。
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くーみん(プロフ) - 藍斗さん» ありがとうございます!!なかなか更新できてないですがこれからもよろしくお願いします!! (2016年8月12日 13時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
藍斗 - おもしろかったです 更新頑張ってください 応援してます! (2016年7月21日 1時) (レス) id: 74bee11643 (このIDを非表示/違反報告)
くーみん(プロフ) - 819さん» わわ!ありがとうございます!そういっていただいて嬉しいです!( ´艸`)これから頑張ります!(`・ω・´) (2016年6月15日 21時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
819 - こんな感じの話好きです!!更新待ってます!頑張ってください! (2016年6月15日 20時) (レス) id: 88493879e7 (このIDを非表示/違反報告)
くーみん(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます!!中也さんと芥川さん私も大好きです!なので今後出番が増えるかとwこれからも頑張ります!! (2016年6月13日 22時) (レス) id: 6a1d49f02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くーみん | 作成日時:2016年5月13日 23時