2本の桃の花 (ページ13)

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4時間目前半ページ13

佐「叶斗くんこれ食べてみて！美味しいから！」
百「あー、これあのドーナツ屋さんの新作だっけ？」
佐「そうそう！」

佐倉から差し出されたピンク色のチョコレートのかかったドーナツ。鼻に近づけると、ハンドクリームみたいな匂い。

百「...へぇー、美味しそうだね」

口に放り込むと、人工的な甘い香りが鼻を通って、少し洋酒の味がした。

佐「どう？」
百「...うん、美味しいねこれ」
佐「だよね！」
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百「せんせ、助けて」
二「おぉ、どうした」
百「なんか飲み物下さい。俺が飲めるやつならなんでもいいです」
二「え、あ、そこのペットボトル飲んでいいけど。紅茶だよ」

グイッと飲み込むと、やっと口の中が落ち着いた。

百「はー...」
二「...落ち着いたか？」
百「うん……」
二「どうした？」
百「女子に...洋酒の入ったお菓子もらって」
二「苦手か？」
百「うん。ラム酒とか特にダメ。レーズン大嫌いでさ」
二「洋酒がダメか」
百「日本酒は別にいいんだけどねー」
二「...ん？」
百「うん？」
二「...日本酒ってお菓子とかにも入らねぇだろ」
百「...」
二「お前なんで飲んだ？」
百「...」
二「叶斗」
百「...水と思ったんだもん...」