[d!]我々と4年目の第1歩を。[建国記念] (ページ9)

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その耳に輝くのは / zm ページ9

「ゾムいつもありがとう！これゾムに似合うと思ったの！プレゼント！」

そう言って彼に渡したのは彼の軍でのイメージカラーである黄緑色の宝石があしらわれたシンプルなピアス。

「おー！めっちゃ綺麗なピアスやな…ありがとうな！」

そう言って満面の笑みで受け取る彼はこの我々国の軍人。しかも幹部という地位を持っている。

彼との出会いのきっかけは、彼が街外れで重症を負って倒れていた所を助けたこと。

敵国の偵察の帰りに襲撃を受け、返り討ちにしたものの多勢に無勢だったから重症を負ってしまい、自国までには辿り着けたがそこで倒れてしまったらしい。

その時はゾムを普通の兵士だと思っていたけど、想いが無事成就した後にゾムが幹部だったことを知った。

何故平民の私が彼と付き合えているのか不思議に思ってしまうほどすごい人だ。

「えへへ、喜んでもらえて良かった！今日
街を歩いてる時に見つけて、ゾムにぴったりだと思ったから」

そう言って少し頬を染めながらゾムを見上げると、ゾムは心底嬉しそうにニカリと笑いながら男らしい大きな手で頭を撫でてくれた。

でもゾムはそれだけじゃ飽き足らずに、

「ほんまAは可愛ええなぁ！優しくて気配りも出来て…さすが俺の自慢の彼女やわ」

とかっこいい事を言ってきた。

そんなこといきなり言うなんて不意打ちだよばか…！予想外の言葉に頬を朱に染めて俯いていると

「ん？そういやAは自分の分は買ったん？」

と聞いてきた。

こいつさっきのかっこいいセリフなんやったんってくらい話変えるやんけ…。
まぁゾムらしいっちゃゾムらしいけどさ。
と内心思いつつ

「そう言えば買ってないなぁ…。ピアス開けとるけど物は持って無いんよね」

と答えると

「ほーん、そうなんや…」

と言って少し考える素振りを見せた。
そして、ぱっと顔をあげたかと思うといたずらっ子の様な含みのある笑顔で

「Aってピアスの起源って知っとる？」

と聞いてきた。