[d!]我々と4年目の第1歩を。[建国記念] (ページ5)

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全てを支配する貴方へ / gr ページ5

『失礼します。Aです。』

他の幹部は寝静まったであろう真夜中の2時。
1つの部屋の扉を軽く叩いた。

「入れ」

その部屋の者であろう声が奥からすると私は扉を開けた

『お待たせしました。』

「2人の時は敬語は無しだと言っているだろう」

『ん、そうやったね。』

バリトンボイスの響く彼を横目で見ながら持ってきたお菓子や飲み物を机に置く。

本当だったらこの時間は寝るんだけどグルッペンがどうしても今話がしたい、とインカムを入れてきたから長くなりそうだと思って持ってきたのだ。

『...で、話って何？この時間は起こせば皆集められるのに』

「戦争が始まる」

『...知ってるで。...今回はやばいんやろ？』

「あぁ。俺達が最も警戒し、最も観光客を送り続けてきた国だ。五体満足では帰れないだろう」

この話は先週の会議でも言っていた事だ。今回の敵は我々軍もあまり関わりたくなかった国だ。

そして...

私の祖国だ。

『ついに...か。』

「A...。」

『大丈夫、あの国に未練の欠片もない。...ただ』

「分かっている。親友の救出が最優先だ。」

『...うん。』

私の親友は今頃、国の牢屋に入れられているだろう。私が逃げたから。

そんな事を考えてる間にグルッペンは机にあるお菓子をほぼ平らげてしまった。

「ん、これ美味いな、これは何だ？」

『あぁ、黒胡麻クッキー？ひとらん様が畑で採ってくれたのを焼いてみたの』

「また作ってくれ。」

...あぁ、こうして笑顔が見られるのも、このお菓子の時間だけになるのかな。
そういえば、グルッペンの部屋って全体的に黒いんやなぁ...

『ねぇ、グルッペン』

「なんだ？」

『グルッペンは黒が好きなの？』

「...そうだな。全てを支配するに相応しい色だ。」

グルッペンらしいや。でも、

『黒は全てを飲み込む色でもあるで。グルッペンは一体何処までを飲み込むの？』

「...っははは！面白い質問だな。...それはこの戦争が終わってから話そうか。」

『…言ったね？必ず帰って来てよ』

また、貴方とこうして話せるなら

「当たり前だ。俺は我々軍の総統、グルッペン･フューラーだゾ。」

貴方に、全てを委ねても

「...俺の黒は、全てを支配する黒だ。そして、誰にも塗り替えられることは無い」

ずっと、着いていこう

『私は貴方に一生の誠意を誓います

...ハイル・グルッペン』

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