[d!]我々と4年目の第1歩を。[建国記念] (ページ15)

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『あ、そうや』

懐かしい話を思い出していれば、ふと浮かんだ作戦。

軽い足取りで医務室へと向かい、それから何度かノックをしてガラガラ、と扉を開ける。

『ぺしーん、毒、ない！？』

私の顔を見て静かに微笑んでからコーヒーを啜ったペ神が目を丸くしてから、むせた。

『えぇ、大丈夫…？』

｢_いやいやいや、Aちゃんこそ大丈夫！？何に使うつもり！？｣

ガクガクと肩を掴んで揺さぶられ、脳が揺れる。

離せ離せ、と手を押しのけて、それから発表会のようにゴホン、とひとつ咳払いをした。

『トントンの目の前で飲んだら楽しそうだなーって』

｢Aちゃんのアプローチ方法癖強すぎやろ…｣

なんて言いながらも比較的体に優しい毒を探してくれるペ神は本当に文字通り神様だと思う。
因みにペ神はうちの幹部連中の中では数少ない私の相談相手でもある。

｢まだこれなら、マシやと思う｣

『ありがとう！行ってくる！』

渋々渡してくれた毒を受け取り、ぶんぶんと手を振って医務室をあとにする。

書記長室へと再び向かいながら手の上にある毒を観察すると、みるからに毒っていう瓶に入っている。

これ程までに毒アピールしている液体を口に流し込めば、トントンは相当困惑するだろう。
いかん、想像したらにやけてきた。

むふふ、と割れながら気色の悪い声を上げながら漸く着いた書記長室の前で小瓶をポケットに突っ込み、それから何度か扉を叩く。

｢入ってどうぞ｣

また書類をやっているであろう社畜書記長の声が聞こえ、扉を押し開ければトントンはこちらにちらりと目線を送って、それからまた書類に視線を戻した。

｢A、今度はなんや｣

急に毒飲むのもなぁ、なんて思いながら、

『いや？暇だから来ただけ』

｢_じゃあ、手伝ってくれへん、かな？｣

やたらモゴモゴと喋るから何事かと思えばお手伝いの要請だった。
トントンが私に書類仕事の手伝いを頼むなんて相当大変なんだな、なんて思いながら二つ返事で受け取る。