予想外ノ者達 ページ16
no side
武装探偵社からの増援。
千咲が意識を失った事により、ようやく首を絞めていた腕が消えた尾崎は、荒い息を整えながら悪態をついた。
「探偵社の毒虫め…!」
──これ以上、鏡花に毒の光を見せるな!!
その言葉と共に上げられた手に、ポートマフィアの黒服達が一斉に
国木田が眼鏡を直しながら、その銃口を真正面から
「組織同士の全面戦争か、この忙しい時に。」
千咲を守るように立つ敦も、少し震えながらも携帯を拾って持った鏡花も、珍しく笑みのない賢治も…
ポートマフィアに屈するつもりなど、全く無く。
武装探偵社とポートマフィアの因縁の決着か…!とその場に居る全員が思った、その時。
「──
衝突1秒前って感じだね、もう少し遅く来れば楽できたのに。君やる?」
「構わないが…大勢からの注目が、
快活に笑う金髪の外人らしき青年と、
対照的に陰鬱そうに身を縮こませる男。
予想だにしなかった第三者の登場に、両者は動けない。
その時、気を失った千咲に金髪の青年が目を向けた。
「ん?そこに倒れてるのは…例の、ミス・チザキじゃないか!ダブルナイスタイミングだね!」
「そうとなれば、仕方ない…“
「面倒くさい…怠い…疲れた……あの女性だけ連れて…さっさと…帰ろう。」
「まァそう言うなよラヴクラフト〜!
──あ、そこ、危ないよ〜?僕らの“
混乱する場の中、敦は何かに気づいた。
そして、警戒する獣の声で叫んだ。
「国木田さんっ!!上から何かッ──」
ドゴオオオォォ…ン
空から降ってきた“
土煙の中、数人の人影が現れた。
──
だが、それらの人影を追う者は現れなかった。
何故なら、武装探偵社、ポートマフィア…その場に居た
「…あれ?ミス・チザキが居ない…さっきまで居たのに。」
「まあ良いんじゃない?どうせ所詮は小物よ、今じゃなくてもいつでも捕らえられてよ。」
影でそれを聞いている“第四者”が居たことには、誰も気づかなかった。
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作者名:ミカン酢 | 作成日時:2022年10月22日 16時