九話なのです! ページ10
次の日、いつも通り日が昇る時間に目覚めたAは、いつも抱きしめて寝ている刀のままの長谷部に笑いかけた。
A「ここの本丸が優しい方ばかりで良かったのですよ。長谷部様も、皆さんと会えて良かったのです」
するりと鞘を撫でたあと、着替えたAはいつものようにへし切長谷部を抱きしめるように抱えて部屋を出た。
三「おや、朝早いな、見習い」
へし切長谷部のことを説明したあと、すっかり警戒を解いた刀剣男士たちと仲良くなったのだ。
最初はよく観察しているような三日月宗近もこうして話しかけてくれるようにはなった。
A「三日月宗近様も早いのですよ!」
三「はっはっはっ。俺はじじいだからな。何もしなくてもこの時間には目が覚める。して、見習いは何をしているのだ?」
Aは落ちていた棒で何かを地面に書いていた。
A「昨日言ってもらった皆様のお名前を忘れないうちに覚えておこうと思っているのです!」
三「それは良い心がけだ。どれ、この俺も手伝ってやろう。なにしろ量が量だからな」
審神者の本丸には最近実装された刀剣男士を含めて揃っている。
唯一いないのが古備前の大包平という太刀だ。
鶯丸が心待ちにしているが、一向に出てこないらしい。
A「三日月宗近様、大くりからというのはどういう漢字なのです?」
地面に“大”という字を書いたまま止まる手に助けを求めれば、帰ってくるのは笑い声。
三「悪いが、俺も分からん。なに、書けなくても呼べれば良いのだ」
A「でも、審神者になれば報告書などで書けなければいけないのですよ?」
口を尖らせて困った顔をするAを見つめる三日月宗近の目はもはや孫を見る爺の顔だった。
三「それは困ったなぁ。誰か通りかからないものか」
その言葉を待っていたようにちょうどご本人が通りかかった。
A「ちょうど良かったのですよ!おおくりから様!!」
伽羅「……なんだ」
本人は嫌そうな顔をしながら一応は止まってくれた。
A「大は分かるのですが、くりからってどういう漢字なのですか?」
恐らく大人でも使う回数が少ないため読めるが書けないという人が多いであろう漢字である。
三日月宗近とAが見ている中、大倶利伽羅はAが持っていた棒を取って書かれた大の下に倶利伽羅と書き足した。
A「おお!これは使わない漢字なので分からなかったのです!ありがとうございますなのです!」
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを待ってます!(*´ω`*) (2021年9月25日 17時) (レス) @page18 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名-せな-くん⇔舶(ハク)(プロフ) - とても良きです……!!見習いちゃんがとても可愛く内容も好みです…!気長に更新お待ちしています(´-`*) (2019年12月25日 2時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 見習いちゃんがとても可愛くて吸い込まれるように読みきっちゃいました!続きを待ってます! (2019年5月16日 22時) (レス) id: e140141ee4 (このIDを非表示/違反報告)
アルっさん(プロフ) - 見習いちゃん可愛いですな!FGOの方の更新も待ってます(*´∀`*) (2018年12月6日 16時) (レス) id: ede1d0dfa8 (このIDを非表示/違反報告)
黒雪(プロフ) - 初めまして! 見習いちゃん可愛いですね 小説面白いです これからも更新楽しみにしています 頑張って下さい! (2018年10月18日 2時) (レス) id: 64abb0ccf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖矢ちひろ x他1人 | 作成日時:2018年8月29日 22時