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ありがとう ページ10
「A」
そう言って僕はAの名を呼んだ。もしかしたら、もう二度と呼ぶことのないかもしれないその名を。
そして僕は、高く手を上げた。
「ハイタッチ、しよう」
Aは、驚いた顔をした。
音の消える体育館。
けれど。
その後は、笑って手を高く掲げた。パンっという気持ちいい音の後、拍手はまた、更に濃く響いた。
僕らは外を見た。外には、演奏を聴いていたであろう人達が沢山いた。その数の多さに、僕らは圧倒された。
…僕の、この気持ちは届いたのだろうか。Aに、届いたのだろうか。
きっと、届いていた。大丈夫だ。そう願わずにはいられない。
「A」
「なに?」
不思議そうにこちらを見たAに、僕はこう告げた。
「本当に、ありがとう」
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作者名:紗由紀 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sayukinopurofu/
作成日時:2022年6月29日 20時