干上がり 銀時side ページ3
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「は？」
「よォぱっつぁん、どーしたそんな間抜けた面して」
万事屋の戸をガラガラと開けると、奥から「あ、帰ってき……」と顔を出した新八は「帰ってきた」の「た」を何処かに落としてしまったらしい。交番に届いているといいのだが。
「いや、は？」
眼鏡の奥の目をまん丸くしてずぶ濡れの俺、そして俺と同様ずぶ濡れの女を交互に見て、眉の皺をどんどん濃くしていく新八。
すると更に部屋から「なにグダグダやってるアルか、帰ってきたんなら早く手洗いうがいしなさいったらもうまったく、何回言わせれば気が済……｣と、これまた「気が済む」の「む」を恐らくは飯のおかずとして食ってしまったのだろう神楽が顔を出した。ちゃんと消化されるといいのだが。
「「は？？？」」
2人揃って響く「は？」はなかなかに迫力があり、そしてなかなかに軽蔑やら汚いものを見たかのような含みを持たせすぎていた。
「……いや、これには深い訳があってな」
「どォォォォォこが深いんだよ浅くにしか見えねェだろーが！！干上がってんだろーが！！」
「銀ちゃん最低アル！！仕事に行ったと思ったら女連れ帰ってくるなんて！！……もう二度と私の目の前に現れないで」
「待て待て待て待て」
話を聞け、落ち着け、一旦話を聞け。
「何も聞きたくないアル」
「僕もう退職します」
「見解も決断もワイルドスピードすぎるんだよ。何生き急いでんのお前ら。なに、明日にでも死ぬの？」
あまりにも話を聞かないガキ共に青筋が額に浮かび上がりそうになるのを堪えつつ、俺はこんな状況に立たされていても背後にじっと黙って佇んでいる女を前に出しながら弁解する。
「雨でずぶ濡れなの見えねェのか、雨に打たれながらズッコンバッコンやるわけねェだろ。兎に角タオル持ってきてくれ、訳は後で話すから」
お願い、300円あげるから、と。
俺が真摯にそう言うと、玄関先と部屋の入口とで新八と神楽が顔を見合せ、それもそうかと納得したのか「分かりました」と新八が洗面所にタオルを取りに行く。流石にずぶ濡れの女を目の当たりにしてもなお疑い続けるほど疑心暗鬼ではなかったようだ。
ぱたぱたとバスタオルを持ってきた新八が俺にそれを手渡すと、そのまま女の頭からタオルをかけ、わしわしと髪を拭いた。
「ほらお前も、んなとこで突っ立ってないであがれって。そんで風呂！」
「沸かしてあります」
「流石眼鏡」
「アンタだけ雨空の下に永住しろ」
裸足の女を無理矢理家にあげると、風呂場にぐいぐい押し込んでいく。
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ぽぽぽ(プロフ) - 神作品に出会ってしまった…更新楽しみにしてます (1月29日 10時) (
レス) @page4 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダ電機(プロフ) - ピピコさんの作品とても好きなので、新作が出て嬉しいです、更新楽しみに待ってます🥰 (12月13日 19時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作成日時：2023年12月4日 18時
