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ベッドが二人分の重みで軋む。仕切られたカーテンの向こうで耳を澄ますしんぺいさんの気配にも緊張している。
「おれに、い、言いたいことあるんならなんでも、はちょっと怖いけど言って。黙ってられる方が気持ち悪いしな、うん」
ゾムさんの尻尾がふよふよと頼りなく揺れる。私に何を言われるか不安で落ち着かず、彼まで下を向いてお腹の前で丸まった尻尾をいじる姿は叱られる前のワンコのようだった。
そんなポーズされたら尚更いいにくい。
さっきまでイケイケオーラでなんでも言えとばかりに詰め寄ってきたくせに、いざ話す場面で弱気になって背を丸めるなんて。
何でも無いですと答えて済む雰囲気でもないし、適当に言ってはぐらかすかオブラートに包むか。さて。
「なんて言うか……ちょっと不安でして」
「っ！？そ、そ、それは、不安ってどういう意味で！？」
ぴょこんとゾムさんの肩と一緒に尻尾が跳ねた。伏せがちだった大きな耳と整った顔が私の声と感情を拾うべくパラボラアンテナのごとく動く。
なんとも情けない表情。
彼は脅威と称えられるほど強い狼なのにその狼狽える仕草がちょっと可愛らしくて、緩みそうになる口元を深刻を装って隠した。
「この前、ストレスを抱えたゾムさんが意地悪してきたじゃないですか…」
「あっ…そっ…すね」
「また同じことされるかと思うと不安なんです…」
私が言った『怖い』に思い当たる節がいくらでもあるゾムさんが空中に視線を飛ばし始める。気まずそうに首の後ろを掻いてから膝に手を置いて神妙そうにこくりと頷く。いや、頷いたと思ったらゾムさんが深く頭を下げたのだ。
「ごめん、もうあんなことはせんようにします。…多分。わからんけど、…するかもしれんけど、あんま怖ないようにします、ウス」
「どっちなんですか」
念押しすると何か言いたげにもごついたゾムさんの口元が物欲しそうに歪んでいく。
「ゾムさん？」
「だって、俺も不安にさせたないけど、Aが照れたり慌てとる姿、可愛いんやもん！」
「や、ちょっとゾムさんっ！？」
言いながら身体を押し付けられ、ベッドに倒れ込んだ上からゾムさんが縋る、というかのしかかってきた。言ってるそばからこれだ！
結局悩みは昇華できなかった上に逆ギレしたゾムさんにベッタリ引っつかれたんだから言い損だ。
「そうやって…っ！お前のリアクションがいちいち可愛いのが悪いんやろ！」
「ぐぇ、しん、ぺいさっ！くっ、しんぺいさぁあん！」
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あまぎ(プロフ) - 亞さん» 嬉しくてニヤニヤニチャニチャしてます！！！物書き冥利に尽きると申しますか、言われて嬉しい言葉を3つも織り込んでくださっていてめちゃくちゃ飛び跳ねてます今！やったー！ありがとうございます！これからも褒めて貰えるように文章頑張りますー！ (2021年4月6日 7時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
亞 - 設定がしっかりしていて、さらに場の雰囲気が想像出来る、、めっちゃ読みやすいです！続編楽しみにしてます！ (2021年4月5日 20時) (レス) id: a5aad03a9c (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - アルカさん» あのお風呂シーンは私も表現やアウトゾーンに悩みながらzﾑ視点で書きましたので、夢主のドキドキをお伝えできたなら満面の笑みでニッコリです！やったー！これからもきゅんきゅんして頂けるよう頑張りますね！コメントありがとうございました！ (2021年1月29日 17時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
アルカ(プロフ) - 読んでいるときゅんきゅんが止まらず、お風呂のシーン何か私まで顔を赤くして見ていました...。これからも更新頑張って下さい！ (2021年1月29日 14時) (レス) id: 710728be47 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - こさゆさん» お褒めの言葉ありがとうございます！世界観は活かしきれてないところがまだあり、今後も好きだと言って頂けるよう精一杯広げて精進していきたいと思っています！嬉しいです…見てくださる方がいる事実で更新頑張れます…！これからもよろしくお願いしますー！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2020年7月4日 14時
