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最悪の想定。最悪の結果。ぐるぐると脳内を走るゾムさんの怒った顔。酷く不機嫌になった主は何をしてくるか、冷たくされるか激情されるか、命令を破った罰を与えるか、それさえ私には分からない。膝の上のショッピくんは青ざめる私を見てニンマリ笑った。
「ゾムさんに泣かされたら慰めますよ。いつでも俺のとこに来てください」
おでこに乗せたままの手を覆った伸びやかな手のひら。優しい触れ方だけど、それではおやすみなさいと言って昼寝を始めたその手の持ち主は、優しさとはかけ離れた意地の悪い性格をしていることなどとっくに知っていたはず。ショッピくんが起きるまでの3時間弱、丸く収まる言い訳を探して脳みそをずっとずっと雑巾絞りして得た1つの結論はまさに悪魔の囁きだった。
言い訳が無理なら証拠隠滅を、お風呂入ろうと。
「おっ、どうしたんですかゾムさん。ご機嫌斜めですネ」
「誰のせいや思っとんねん」
なぜ自分が不機嫌なのか分かってるくせに。揶揄うようなグルッぺンの口調に、調査資料を叩きつけるように机に置いたゾムはムスッと口を曲げた。
あの交流会でのラストダンス、最良の選択だと渋々納得していた自分へ、Aと踊っている最中に目の前の男がしてみせた挑発の真意はなんなのか。
いずれにせよあの時、たくさんの雄の匂いをつけて帰ってきたAの心臓を抉り、覆い隠してしまいたくなるような陰鬱で苛烈な感情が湧いたのは確かだった。
Aにはなんの責任も罪もなく、むしろよく頑張ったと褒めるべき言葉が出ず、代わりに告げた大人気ない束縛の命令に起きたばかりのAは目を丸くしていた。無理ですと。何度も首を振るAの髪を撫で、もう一度同じ命令を口にするとそれ以上彼女は何も言わず、淑やかに頷いたのだった。
「そうだゾムサン。先日の交流会についてだがAはよく頑張ってくれた。約束通り何か報酬をやりたいンだが、Aに何がいいか聞いといてくれ」
「……分かった」
「それからこれ。A宛に届いたラブレターはすべて破棄しときますンで安心してください」
「は？」
今朝の情景を思い出していたゾムはグルッぺンが指し示した数え切れない封筒の束に目を移した。まだ開けていない封筒をペーパーナイフで開けてみせ、中から手紙を取り出しゾムに渡す。ひと目でわかる、愛の言葉が綴られた文章がゾムの手でぐしゃりと音を立てた。
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あまぎ(プロフ) - 亞さん» 嬉しくてニヤニヤニチャニチャしてます！！！物書き冥利に尽きると申しますか、言われて嬉しい言葉を3つも織り込んでくださっていてめちゃくちゃ飛び跳ねてます今！やったー！ありがとうございます！これからも褒めて貰えるように文章頑張りますー！ (2021年4月6日 7時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
亞 - 設定がしっかりしていて、さらに場の雰囲気が想像出来る、、めっちゃ読みやすいです！続編楽しみにしてます！ (2021年4月5日 20時) (レス) id: a5aad03a9c (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - アルカさん» あのお風呂シーンは私も表現やアウトゾーンに悩みながらzﾑ視点で書きましたので、夢主のドキドキをお伝えできたなら満面の笑みでニッコリです！やったー！これからもきゅんきゅんして頂けるよう頑張りますね！コメントありがとうございました！ (2021年1月29日 17時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
アルカ(プロフ) - 読んでいるときゅんきゅんが止まらず、お風呂のシーン何か私まで顔を赤くして見ていました...。これからも更新頑張って下さい！ (2021年1月29日 14時) (レス) id: 710728be47 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - こさゆさん» お褒めの言葉ありがとうございます！世界観は活かしきれてないところがまだあり、今後も好きだと言って頂けるよう精一杯広げて精進していきたいと思っています！嬉しいです…見てくださる方がいる事実で更新頑張れます…！これからもよろしくお願いしますー！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2020年7月4日 14時
