私が恋をしたのは……【3】 (ページ26)

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不穏な知らせは、円卓の間で
オブジェクトへの対策について協議されている場に
突如としてもたらされた

そう、Aがいない時に

ジェシー「オブジェクトはまた奇襲を
かけてくるかもしれない……となると」

コーチ「同盟国のベニアイタの増援だけじゃ
心許ないわな、ここは早めにジェノベにも声をかけて…」

タカヒロ「軍議を重ねているところ
申し訳ございません。少しよろしいでしょうか？」

いつも冷静沈着な官僚の表情が険しいことに
気づいた王子8人は、さっと眼差しを鋭くする

リューセイ「手短に要件を言え」
タカヒロ「オブジェクトから先ほど書簡が届きました」

ジェシー「オブジェクトから……？
タカヒロ、書簡の内容は？」

タカヒロの視線が、一瞬だけタイガを捉え
そして______。

タカヒロ「簡潔に申し上げます。
明朝、ロードサイド王国第5王子タイガ＝ティーグルを返還せよ、との申し出です」

タイガ「…………！」

その場がしんっと……静寂に包まれる。
その空気を破ったのはシンタローの怒号だった。

シンタロー「待てよ、それって明日の朝までに
タイガをオブジェクトに渡せってことだよな！？」

シンタロー「……っ、オブジェクトはずっと昔に
タイガを見捨てたんだろ？」

タイガ「そうだね、俺を見捨てることで
オブジェクトは交渉決裂を明示したから」

シンタロー「いらねーって言ったのに
今更返せなんてひでーしおかしい。どうしてこんなこと要求してくんだよ！」

トモヒロ「そう、かっかしてくれんな、でかいやつ
_____答えは明確」

トモヒロ「お坊ちゃんが敵国の手に渡ったとなれば
こちらの動きは必然的に鈍る」

トモヒロ「これは憶測に過ぎんが、
あちらさんは見捨てた時点でこの算段を企てていた
可能性もあるな？」

シンタロー「…汚ねーぞ、そんな要請
突き返せばいいだけだ！」

リューセイ「__突き返した直後、
返還要請を跳ね返したことを理由に一気に攻め入られる」

リューセイ「それでもお前は"突き返せ"と
断言できるんか、大きいの」

シンタロー「……！」